美容医療を利用したことのある女性の割合は12%、ここ5年で最高水準となったことが、2023年のリクルートによる調査でわかった。この調査結果は厚労省医政局の美容医療に関する資料にも使われている。調査対象は人口20万人以上の都市に居住する、15~69歳の女性である。12%というのは、脱毛や審美歯科も含む数字となっている。
この調査データでは、美容医療に対する認知は年々広がっていると言われている一方、およそ8割以上の女性はいまだに美容医療を利用していないということがわかる。特に大手美容クリニックが展開していない地方の中小都市では、美容医療未経験者の割合は多いと思われる。X CLINIC(美容外科・美容皮膚科・審美歯科)を展開するエックスメディカルグループはこの「美容医療未経験」層にさらなるアプローチするべく、全国の地方都市に、通いやすく手軽に美容医療を楽しめるカジュアルクリニックを展開予定だ。
ドクターコネクト
Q : カジュアルクリニックのコンセプトを教えてください
髙島氏
A : カジュアルクリニックのコンセプトは、コンビニ感覚で通える美容クリニックです。都心に出て行かなくて済む、地元で気軽に通える身近なクリニックとして、ボトックスやヒアルロン酸の注入と点滴を専門としています。
仕事の休憩時間や家事の合間に、まさにコンビニに行くように気軽に美容医療を受けていただいています。カジュアルクリニックは近くにお住まいの主婦、学生、社会人のためクリニックとして展開しています。
ドクターコネクト
Q : 開業スタートが首都圏や大都市ではないことが印象的です
髙島氏
A : 場所は地方都市にこだわりました。
X CLINICの患者様で遠方にお住まいの方から「都心に通院するのが大変」というご意見を伺ったことがきっかけでした。日本の女性にもっと日常的に美容医療に関わってほしい、という孫理事長の思いもありました。そこで、都心から離れたところにお住まいの方でも、気軽に高品質の美容医療を楽しんでいただくためのカジュアルクリニックを開院することになりました。
ドクターコネクト
Q : リーズナブルな価格設定でも高収益を達成しているそうですね
髙島氏
A : ご満足いただける技術レベルをリーズナブルな料金でご提供することが可能なのは、まず、クリニックの開院時の初期費用が大きく関わっています。カジュアルクリニックは高額な医療機器の導入がなく、地方都市で開院するのでテナント料も高額にはならない、そして販売管理費も抑えられ、初期費用全体を抑えることができています。
「コンビニのように気軽に手軽に」をコンセプトにしたカジュアルクリニックをゼロイチから手掛け半年で回収を目標としましたが、おかげ様で達成できています。初期費用が大きくないので投資は短期回収でき、利益の積み上げフェーズに早い段階で入る、このモデルだからこそ、リーズナブルな料金で美容医療をご提供できているのだと思います。
ドクターコネクト
Q : X CLINICとカジュアルクリニックでは、どのように役割や特徴を分けて運営されているのでしょうか?
髙島氏
A : X CLINICとの棲み分けは、外科と非外科という施術内容、そして都心と地方都市という点にあります。X CLINICは外科の技術力を強みとしており、X CLINICのドクターだからこそ可能な施術がセールスポイントとなっています。一方、カジュアルクリニックは統一化された技術を基本として、どこの院でも同じレベルの施術を受けられることを目指しています。技術レベルを統一することは簡単なことではありませんが、それを実現できるのはメニューの「選択と集中」があるからです。
どうやって技術の統一化を行うのかというと、まずは研修体制です。ハードとソフトの両面で充実した研修体制を作っています。ハード面で言うと、近日中に研修施設を作る予定です。ソフト面では、現在作成中の研修プログラムに加えて、X CLINICでの勉強会などがあります。事務局長と共に、一緒にマニュアル制作や研修体制、オペレーション内容をブラッシュアップしていく予定です。
技術力は経験豊富な医師からの指導に加えて、ご自身の症例を積むことで獲得できると考えています。長期的に見ると、注入の技術はある一定のレベルまで来ると、そこからは患者様の満足度は高くとどまります。施術が限られているからこそ、新人の医師には注入の症例をなるべく多く積んで、一定のレベルまでスピードアップして身につけていただきたいと思います。
カウンセリング力は、ベテラン医師のやりかたを近くで見て学ぶことが近道の場合もあります。孫理事長のカウンセリングと技術を近くで見た医師が、その後めざましく成長し、患者様満足度に比例して売上げが上がっていくということも実際におきています。
ドクターコネクト
Q : どのような患者層をターゲットにされていますか?
髙島氏
A : 来ていただきたい患者様の層は、大きく分けて2つあります。1つは心理的なハードルが越えられずに美容医療のご経験がない方、美容クリニックの入口にさえ立たれたことがない方です。このハードルが高くなってしまう理由としては、怖いという不安、「安かろう悪かろう」という情報不足、通うには遠いという物理的な距離、があると思います。2つめは、経済的な理由で美容医療を諦められている方です。これは、料金がリーズナブルであることで解決できる問題です。
この2つのハードルでなかなか美容医療に踏み込めない方に向けて、リーズナブルで安心できる技術を提供し、ご自宅や勤務先の近くで受けていただけるクリニックを作っていきたいと考えています。
ドクターコネクト
Q : 特に人気の治療はどんな治療でしょうか?
髙島氏
A :人気の施術はヒアルロン酸注入です。法令線と頬のこけのお悩みの方が多くいらっしゃいます。年齢層でいうと40代から60代の女性が主な患者様層ですが、上は80代の方もいらっしゃいます。涙袋や顎、唇への注入を希望する方は20代が多いです。有難いことにカジュアルクリニックの施術に満足してくださっている患者様が増えており、毎月ご来院いただく患者様の約半分の方がリピーターの方となっています。
確かな技術の提供は当たり前のことなのですが、クリニックの雰囲気がいいことも再来院していただける理由の一つかもしれません。医師をはじめ、人柄の良いスタッフがクリニックの雰囲気を作ってくれています。地元の方に愛され気軽にご来院いただける雰囲気の良いクリニックになっていると自負しています。
ドクターコネクト
Q : 今後の分院展開と医師採用について教えてください
髙島氏
A :今後、200院を全国の地方都市に開院していく計画です。直営のほか、フランチャイズのお申し出もいただいています。今後、積極的に医師を採用していくことになります。候補となる医師にはご経歴や志向などを面接でお聞きしていますが、いろいろなことに素直に対応できて、「チャレンジしてみよう」精神がある方に来ていただきたいです。吸収力があって、成長したいと思う若い医師に適しているクリニックです。
ドクターコネクト
Q : 入職後のキャリアパスについて教えてください
髙島氏
A : 一日の患者様は10名から15名、一か月で200名から250名になります。注入が中心になるので、症例を積めるスピードはとても速いと思います。
X CLINICと一緒に人材マネージメントできることは当院の強みだと思います。今後はキャリア連携も検討しているので、美容外科X CLINICの良さと注入専門の美容皮膚科カジュアルクリニックの良さの両方をキャリアパスに考えていただけると思います。
カジュアルクリニックは小規模ながら、医師がクリニックの経営やマーケティングも学べる環境にあります。ご興味のある医師にはとても勉強になるポジションだと思います。
ドクターコネクト
Q : 採用したい医師像について教えてください
髙島氏
A : 美容医療の経験は問いませんが、望ましい姿勢としては「良い意味での強気」です。世の中一般では、アップセルというのは悪いイメージがありますが、カジュアルクリニックはリピーターになっていただくことを目標としていますので、無理なご提案はしません。しかし、医師目線でこれは必要だと思っている施術は自信をもって勧める姿勢も必要だと考えています。患者様のことを考えた「あえてのアップセル」です。初めての美容医療に踏み込んで来て下さった患者様には施術の結果に満足していただかないと、次にはつながらないのです。
ドクターコネクト
Q : カジュアルクリニックで働く魅力を教えてください
髙島氏
A : これは入職していただかないとわからないことかもしれないのですが、職場としての雰囲気はすごく良いと思います。そこが強みでもあり、ほかのクリニックにも自慢できる文化ではないかと思っています。風通しが良くて意見を活発に言い合える、現場からのどんな提案も歓迎する、そんなカジュアルクリニックで一緒に成長したいと思っていただける医師を積極的に採用していきます。
ドクターコネクト
Q : 美容皮膚科にチャレンジしてみたい医師に向けてメッセージをお願いします。
髙島氏
A : すべての人が自分を愛せる世界の実現をめざす。これがグループのフィロソフィーです。
患者様はもちろん、グループで働くメンバーが自分を愛せる世界の実現を目指しています。
強みは、スピード感をもって症例数が積め、最初の1年でかなりのスキルアップが望めるところです。今後の全国展開にあたっては、地元に戻りたい、地方で働きたい、現在の職場に疲れてしまったという医師の方々に、ぜひご協力をいただきたいと考えています。