メール相談
interview_dr.tazawa_thumbnail

東京・青山にある美容皮膚科クリニック「STスキンクリニック青山」の院長として、昨今の日本人女性のエイジングに対する意向について興味深いご意見を持っていらっしゃる田澤しおり先生に、ご自身の実体験から注入の知識・技術・考え方をお聞きした。美容外科医・美容皮膚科医などの美容医療に転科して成長する医師のタイプについてもお話していただいた。

1つの悩みを解決するために、幅広い解決法を知っておく必要がある。提案力も必要なスキル。

ドクターコネクト
美容外科医または美容皮膚科医への転職を検討している医師に、転職・転科するにあたってどのような知識やスキルが必要となりますか。

田澤氏
美容医療で必要なのは薬剤と機器を扱う知識そして技術となります。美容医療について知識や情報が少ない医師は、美容マニアのインフルエンサーや企業がSNSにあげている情報を見てみるのも一つの方法です。意外に分かりやすい解説になっていますので、とりあえず予備知識を得るには良いでしょう。

実際に美容皮膚科医へ転科したら、詳しく知識と技術を学んで、どのタイプの人にどの薬剤を使うかという適応の問題になってきますが、これは転職したあとに臨床でしか学べないことです。

保険診療は診察や検査などから得られる情報から病気を判断し、推奨される治療法を選択するというエビデンスに基づいた治療がベースとなっております。

しかし、美容医療は1つの問題に対していくつかの解決方法、異なるアプローチがあります。その中からどれを提案するのかを医師は考えなければいけません。その方法は美容皮膚科から美容外科まで幅広く選択肢があり、料金の幅も広く効果もそれぞれに異なります。もちろん、ビジネスなので、実際には美容クリニックで扱っているメニューの中で提案をしていくことになります。

何より、美容医療は患者様のご意向が優先されます。患者様のご意向やバックグラウンド、ご予算を考えて提案できるスキルも必要です。

ドクターコネクト
田澤先生は注入をどのように学ばれましたか。

田澤氏
注入はまず眉間と額のボトックスからでした。アラガン社のWEB講習を受けた後、以前勤務していた美容皮膚科クリニックの先生が患者様に打つところを見ながら覚えて、最後に自分でクリニックのスタッフに打って最終的にクリニックの指導医の先生にOKをいただきました。

次に勤務したクリニックでは経過診があり、施術後の経過や効果に対する患者様の満足度などについても学ぶことができました。眉間と額に続いて目尻や顎、その他の部位の症例数も増えました。

ボトックスの次はヒアルロン酸注入を学んだのですが、これはアラガン社のファカルティの先生がクリニックに来て講習をしてくれました。その講習ではヒアルロン酸だけでなく、改めてボトックスも同時に学ぶことができました。ヒアルロン酸注入はアラガン社のMDコードに基づく注入から始めました。実際に施術を始めるとほうれい線の悩みが多く、中顔面へのMDコードを使用した注入法を多く経験することができました。

講習はほかにも、美容医療企業主催のボトックスとヒアルロン酸の注入セミナーにも参加しています。

注入の技術を極めるのはとても難しい。製剤選び、量とプランニング、そして患者満足度。

ms.tazawa_welcoming

ドクターコネクト
今でも「勉強中」とおっしゃっていますが、注入の難しさはどんなところですか。

田澤氏
ボトックスは入れる量が最大のポイント、それを極めるのが到達すべき地点、ゴールだと言えます。そこを極めるのはなかなか難しい、今でもそう思っています。

マニュアルでは分からない、勘と経験がものを言う領域です。量に関しては、足りないくらいの方がいいかなと思います。

ボトックスは効き過ぎると修正できないため、最初から攻めないで経過診を行うことがお勧めですが、クリニックによって方針が異なるところです。他には、なるべく痛みと内出血がでないように気をつけることが大事です。

打つこと自体は慣れれば上手くできますが、なるべく痛みがないように素早く打つ技術は症例を重ねないと向上しません。またその結果に患者様が満足するかは全く別の問題。そこが難しいところです。

ヒアルロン酸に関しては、プランニングが何よりも重要です。MDコードもプランニングの一つの方法ですが、これを使わない先生もいらっしゃいますし、いろいろな「流派」があるようです。

ヒアルロン酸はプランニングを間違わないようにすること、そして、良い製剤を使えば打ちやすくそれなりの効果が期待できるので、あとは満足度をどこまで上げられるかです。

光老化が影響していると思うのですが顔の組織も硬い人と柔らかい人がいますので、それも経験を重ねて、注入するときの感覚をつかんでいかなければなりません。

ドクターコネクト
満足度を上げる仕上がりのための考え方と方法について教えてください。

田澤氏
MDコードは基本にはなりますが、それだけで全ての人が満足する結果が出せるわけではないと思います。

注入の技術はもちろん重要なのですが、実際には注入だけで理想の顔を実現するのは難しいケースが多く出てきます。他のデバイスと組み合わせたコンビネーション治療を行うことで、きれいな仕上がりに近づけることが可能になります。

注入だけでなくスレッドリフトに関しても、糸のみでは綺麗な仕上がりを目指すには難しく、可能であれば脂肪溶解注射やハイフと組み合わせると、より美しい仕上りに近づくと思います。

比較的ふっくらしたお顔の方は注入の変化が見えにくいのですが、臨床の経験を重ねて行くと、満足度を高めるためには「プラス&マイナス」の感覚が必要であることがわかってきます。

ドクターコネクト
「プラス&マイナス」についてもっと詳しく教えていただけますか?

田澤氏
足したり引いたりしなければきれいな顔に仕上がらない、ということです。たるみ治療というのは、減っているところは足してボリュームがあるところは減らさなければならない、そもそもエイジングとは、顔の中で減る場所と増える場所ができてくるということです。

顔をタイプ分けすると、やせタイプとふくよかタイプの大きく二つに分けられます。やせタイプは足す治療、ふくよかタイプは減らす治療をメインに行いますが、やせ型の方でも微妙に増えているところがあるのでそこは減らし、ふくよか型も若干プラスが必要なところもあります。

ふくよかタイプの方に最初からMDコードに従ってヒアルロン酸を注入しても1回の施術で満足度を高めるのが難しくなります。

予算的に1本しか使えない場合にその1本をどこに打つか、医師の技量が問われるのだと思います。

このように、患者様の満足を得るプランニングができるようになるには、経験とセンスが必要になってきます。ヒアルロン酸の技術は考え方、つまりプランニングの技術と言っても過言ではありません。

美容クリニックの数は増えており戦国時代とも言えるような状況の中で、1回の施術で、しかも患者様の予算の中でどこまで満足度を上げられるか。そこが重要なポイントです。

もし1回の施術で満足していただけたら、高い確率でリピートにいらっしゃいます。患者様によっては、あまり変わっていないのにすごく満足する方と、変わっているのに満足なさらないように見える「塩対応」の方がいらっしゃいます。

「塩対応」の方であっても一年後にリピートで来てくださったりしますので、満足度の判断というのは難しいものです。

私ができる患者満足度を上げる方法はどんな時でも全力で治療に取り組むことです。開業してからは全力で治療に臨むために心身のコンディションにとても気を遣うようになりました。

ms.tazawa_explaining

美容の治療を受けたことが分からないような美容医療。微妙な患者様心理。

ドクターコネクト
「シワを取り過ぎない方が良い場合もある」と以前、おっしゃっていました。このお話をもっと詳しくお聞きしたいです。

田澤氏
変わりたいけど周りに気づかれるのはいや、というのが患者様の気持ちです。男性の美容皮膚科医はシワは無いほうがいいというお考えの方が多く、ときには美を追求しすぎてしまうことがあるようです。シワを取り過ぎない、微妙な「さじ加減」は女医の方が理解できるのではないでしょうか。

普通の患者様は女優さんとは違って、「若く見えるようになりたいけど若返り過ぎはイヤ」と思っていらっしゃいます。美容医療をやりたくて来ているのにあまり変わりたくない、という微妙な心理です。

40代が20代のような肌になりたいわけではなくて、だいたいマイナス5歳くらいを望まれているのではないでしょうか。お客様のお話をよく聞き、一番気にされているところから治療をしていくのが良いです。一度自分の気にされているところが綺麗になると、信頼関係が生まれこちらのアドバイスも参考にされますし、もっと綺麗になりたいという意欲も生まれてくるはずです。

ドクターコネクト
注入経験医師から技術を教わりたいニーズが増えていますが、これから転科する予定の医師や研修医が講習会で学ぶべき項目についてご意見をお聞きしたいです。

田澤氏
最初は注入する場所などオーソドックスなことから始めて、まずは効果がわかりやすい方法を学んでほしいと思います。針が小さいのでピンポイントで狙った場所に打てる技術も身につける必要があるでしょう。

一昔前は美容に転科する医師は良いイメージを持たれなかったかもしれませんが現在は人気が高まり、イメージも変化しています。希望のクリニックに就職しても学べることはどんどん学び、過剰な自信を持たず謙虚に患者様と向き合ってほしいです。

美容皮膚科業界必見!|注入セミナー/講師派遣のご案内

ドクターコネクトでは、「STスキンクリニック青山」田澤しおり院長と共同で、最新の注入技術を身につけていただくためのセミナーを開催しております。

このセミナーでは、現場での実践に基づいた具体的なスキルを学ぶことができます。
注入技術はもちろんですが、クオリティの高いケアを提供し、患者さんの信頼を得るにはどうすべきかという部分までをトータルでお話しさせていただきます。

また、注入講師の派遣も行っています。直接貴クリニックに講師を派遣し、現場のスタッフ様含む全員が最新の注入技術を学べる環境をご提供いたします。これにより、すぐにでも現場で役立つ具体的な知識を得ることができます。

ドクターコネクトは、美容医療業界全体の品質を向上させ、患者さんに最良のケアを提供すべく様々な取り組みを行っています。ご興味のあるクリニック様や会社様はお気軽に下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください!

※注入治療や美容皮膚科に興味のある医師の方からのお問い合わせ(医師専用お問い合わせフォーム)も常時受け付けております。

STスキンクリニック青山のご紹介

st_skin_clinic_aoyama_logo

                                                                                                                                             

クリニック名 STスキンクリニック青山
公式サイト https://stskincl.com/
クリニック所在地 東京都港区北青山2-9-14シスタービル2階
ドクターコネクト編集部
この記事の監修者
ドクターコネクト編集部
こちらの記事は、ドクターコネクト編集部が監修しています。


インタビューの新着記事

応募条件


働き方


将来性


給料


立地・勤務地



記事を探す


キーワードから記事を探す


タグから記事を探す

医師転職 美容皮膚科 自由診療 美容外科 転科 年収アップ 未経験 常勤 キャリアプラン 医師 美容医療 研修医 30代医師 20代医師 医師面接 非常勤 働き方 スキルアップ キャリアアップ インタビュー 医師採用 AGA 年収 皮膚科 医師研修 医師バイト 退局 院内見学 美容整形外科 バイト アルバイト 美容医療業界転職市場 勤務医 医療脱毛 外科 時間外労働なし 湘南美容 40代医師 転職体験談 育児との両立 高収入 女性医師 女医 形成外科 整形外科 専門医 キャリアアドバイザー 医局 個別相談 保険診療 当直なし 激務 開業 麻酔科 過労死 履歴書 資産運用 激務.過労死 挫折 脱毛 内科 医療レーザー 管理医師 医師パワハラ 夜勤なし 当直 子育て 落ちこぼれ 再生医療 スキル 経験 ゴリラ シンシア 美容内科 労働法 QOL ワークライフバランス 問診 保険 税理士 検診医 開設医 セミナー 施術 直美 残業 時給 日給 処方 弁護士 名古屋 節税 課税 利回り 一般内科 ランキング 精神科 眼科 志望動機 注入 フィラー ヒアルロン酸 応募条件 失敗 転職失敗 勤務内容 面談 採用担当 節税対策 所得税 相続 税金 管理医師医 救急科 管理者 院長 分院長 面接対策 面接 服装 医師3年目 選考基準 福利厚生 研修制度 研修医1年目 研修医2年目 耳鼻科 訪問診療 自己応募 直接応募 外勤 メリット デメリット コラーゲン オンライン 医師の働き方改革 労働時間 内定 美容クリニック 科目 非公開 不採用

エージェントが直接答える
医師転職支援サービス

記事を読む時間がない!
不安が解消されない!
もっと詳しく知りたい!

その声にエージェントが直接お答えします。
どんなささいなことでも、ぜひご相談ください。