医師転職リアルでは、ドクターコネクト医師転職支援を利用して転職された医師にスポットを当て、匿名で本音を語っていただいたインタビューをご紹介いたします。
転職・転科に至るまでの経緯、何に悩み、そこからどう答えを導き出したのか、そして今の美容医療というステージに立たれ、どう思うのか。
転職を経て美容業界・自由診療で奮闘されている医師として、また一人の人間として等身大のご自身とリアルな医師転職を語っていただきました。
初期研修を修了し、医師三年目に大手美容クリニックに新卒採用で入職した男性医師。
ドクターコネクトで転職相談をした当時は、形成か美容か迷っていた。その理由として、「美容はノルマを強く求められたり、達成できなければ解雇されるのでは」という不安と疑問を抱えていた。
これは美容に転科を検討する医師が必ずと言っていいほど懸念する要項であり、美容医療に対する医師の一般的な認識なのだろう。
彼にはノルマのない、研修制度の充実した大手美容クリニックを数社ご紹介させていただき、その中の一社に入職して一年が経った。ドクターコネクトが定期的に行う入職後のヒアリングの際にインタビューをお願いし、本音を伺った。
──美容を目指そうとしたきっかけは?
美容外科医
研修医のローテート時、搬送されてきた交通外傷で意識不明の患者さんがいて、色々な先生が携わって助かったのですが、結局半身不随とかになってしまって。意識を取り戻した患者さんから言われたのは「助けてもらわない方が良かった」でした。
患者さんが求めているものと、(医療に携わる者が)当たり前のように人を助ける、その”当たり前”の感覚の違い、その差が僕はあまり好きではなく、患者さんが求めていることを実現したい、QOLを高めるような科がいいと望むようになりました。
美容だったら患者さんの経過を診ながら、どのようにしてあげたらいいか提案できるし、患者さんと目指すところが同じというところがいいな、と思いました。
──転科の不安はありましたか?
美容外科医
ものすごい不安でした。美容の”見えないところで何やっているか分からない”ところが不安だったし、かつ、上の先生達は美容医療に対していいイメージを持っていなくて、医者としてダメになるとか、そういうのは医者じゃないくらいの批判もありました。
でも実際入職してみて患者さん一人一人に施術して、そのお客様が自信を持てたり悩みを解消できたことをとても喜んでくれることが、やりがいに繋がってます。
僕自身、患者さんに二重整形などでアンケートを書いてもらったりするのですが、「人生変わりました」と言ってもらえた時は本当に嬉しいです。社会貢献してるな、と思える。
──不安は解消されましたか?
美容外科医
転職するとき、吉澤さん(専任エージェント)に実情を聞いて、見学で実際に見ることによってイメージできたから徐々に不安を解消できたのだと思います。
──保険診療から自由診療に転職してギャップはありましたか?
美容外科医
(エージェントから)聞いていた通りではあったので、働く分にはそこまで大きなギャップはなかったですね。
強いて言えば、バラエティ豊かな先生達がいらっしゃるので、そこはホント「スゴイなぁ」と(笑)。
──研修制度は十分でしたか?
美容外科医
ビデオ講義や、入職してから2週間は先生の講義があったりだとか、必要最低限のことは教えてくれますが、配属される院の先生によってやり方が異なったりするので多少研修内容とは変わってきますし、お客様の要望によっても変わりますから、実践で補ってきたところもあります。
──実践で補ってきた部分について、研修で教えて欲しかったと思いますか?
美容外科医
付きっきりで教えてもらうのは難しいです。それほど難しくない施術は、一度(施術を)見せてもらい「はい、やってみようか」ということもあります。
──逆に先生がやることを(先輩の先生達に)見てもらうこともありますよね?スキルシートをアップデートしたり、その流れについてはどう思われましたか?
美容外科医
スキルシートは僕みたいな研修医上がりの医者にはいいシステムだと思います。
1回フルサポートしてもらって、それ以降は部分サポートしてもらいます。オペによってはもう少しフルサポートしてほしいなと思うことはありますが、難しい場合もあります。
──そのサポートは事前にお願いするのですか?
美容外科医
はい、事前に予約します。お願いすればフルサポートもしてくださいます。
──ではサポートしてくれないというよりも、タイミング次第ということですね?
美容外科医
そうですね、上の先生達は本当に優しくて、色々教えてもらい本当に感謝しています。オペのサポートをお願いしたくても先輩医師の予約枠が空かなかったら、他の先生へ流れてしまうこともありますが、それはもう仕方ないのかなと。
美容外科医
──それはフルサポートを経て部分サポートの段階でも、予約ができなければ施術できないのですか?
美容外科医
そうなんです、僕が自信を持てなければやってはいけないです。
──それはルールとしてあるのですか?
美容外科医
はい。一番お客様に迷惑を掛けないことが第一なので。大きな事故につながる事を防ぐという意味では「安全」ですよね。
──スキルアップできる環境ですか?
美容外科医
はい。オペは麻酔を使うリスクのある行為なので、上の先生が付いてくれますし、実力に合わせて徐々に段階を踏んでいけるシステムなので、僕にとってすごくいい環境です。
──難しい、またはストレスに感じることは?
美容外科医
少しずつ難易度が上がってくるので、それに対して難しいと感じることはあります。それ以外に難しいとかストレスを感じることはないです。
環境が整っているので、自分だけに負荷が掛かることがないです。
──クリニックというか、チームでやる感じがしっかりできているということですね。
美容外科医
フォローし合える環境があるので、大きな事故もなくやってこれました。
もし最悪、何か起きたときは専任部署に任せられますし、かなり安心感がありますね。
──モチベーション維持したり上げたりするため、意識したり努力していることは?
美容外科医
インスタなどで同期の先生が(執刀した)手術を紹介していると、自分も頑張らなければと思います。同期や上の先生を見て、モチベーションを保てます。
あとは、スキルアップするには症例数を必要としますので、そのために「宣伝」もします。インスタで手術を紹介したり、カウンセリングの短時間で次の段階の手術を宣伝したり、次に繋げる努力をしています。
もちろん、その患者様に必要のないオペは勧めません。
──患者様が気付かない事を提案する、望むことを叶える。私もそれが(美容ドクターの)本来のお仕事で、大事だと思います。
美容外科医
おー、綺麗にまとめて下さって、それ使ってください(笑)!
──美容医療の医師として働くことの魅力は何ですか?
美容外科医
ひとつは”やりがい”です。美意識を(高く)持った方々に更に綺麗に、もっと良い方向にいくように提供できる。
自分自身も施術してもらったりして、意識が変わりました。
綺麗になるというのは良いことですし、印象が変わります。そういったことに気を使えるというのも良いことですよね。
──先生、お肌が綺麗ですもんね。何か(美容施術を)やってらっしゃいますか?
美容外科医
ありがとうございます!イオン導入とフォトRFやってます(笑)。自分でやってみれば、痛みや効果を不安に思う患者様にしっかりご説明できますから。
──給与面ではいかがですか?
美容外科医
自分の場合は倍以上、すごい勢いで上がってきているので言うことないです。
──今、目指していること、または入職してから目標は変わりましたか?
美容外科医
入職直後は未知な部分があったので、大きなトラブルを起こさないように、少しずつ成長していこうと漠然とした目標でした。
実際やってみて、先輩医師の姿を見て、もっと大きな手術をやりたいと思うようになりました。
──早く成長したいと思うようになったということですか?
美容外科医
最初のころはオペに尻込みしてましたけど、今は色んなことに挑戦したいですし、そのためには院長もやってみたいという意欲も出てきました。
イメージが湧いてきたところです。
──休日はどうお過ごしですか?
美容外科医
最近はジム通いですかね。筋トレに勤しんでおります(笑)。
事前に休日シフトに希望を出せたり、有休が取れるので、まとまった休みも取れるので本当にいいです。
自分が希望する日に休みが取れなかったこと…ないですね。土・日の売り上げが多い日に休むのはダメだろうと思っていたのですが、希望したら通りました。本当に休日は取りやすいです。
でも(配属された院の)院長の匙加減もあると思います。
──院長先生はシフトまで見てくれるのですか?
美容外科医
専門の部署がありますが、院長のチェックも入ると思います。
僕がやりたい症例が入った遠方の分院に出張を多く入れてもらった時も、説明したら「ああ、そういうこと(やりたい症例がある)なの」と理解してくださって。
「こういう症例が欲しい」と相談したら、アドバイスいただいて、色々と気にかけてくださっているのだと感じます。
エージェントからひと言
未経験や転科の場合やご要望により、研修制度が充実している、ノルマのないクリニックをピックアップいたします。
多くの先生が懸念される美容医療のノルマは、「売り上げに対してインセンティブがある」という考え方もございます。
ご自身の働き方に合わせ、しっかりご検討ください。
研修医から美容医療業界へ進路を決める医師が増え、競争率は年々上昇しています。特に有名な大手美容クリニックは研修体制が整っているため、若手ドクターに人気です。
美容医療に興味があるが進路を決めかねている理由として、
などがあります。しかし、迷っているうちに好機を逃してしまうことも。
こちらの対談では、多くの若手ドクターを入職させたベテランエージェント二人が、美容医療業界の現状と就活のタイミングなど、リアルな情報を提供しています。
ぜひ、ご一読ください。