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【コラム】美容医療業界転職市場:どうなる?2024年度以降の美容外科クリニック転職市場≪vol.1≫


戻る 2024/01/15
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経済の低迷や景気の横ばいが続いている中、自由診療、特に美容医療は年々市場規模を拡大してきました。この状態はいつまで続くのでしょうか。業界に関わる全ての人が関心を持っています。
ドクターコネクトご登録の研修医の方はもちろんその他会員医師からも、将来の見通しについて不安の声がよく聞かれるようになってきました。このコラムでは、10年以上美容医療業界を見つめてきた転職エージェントが、業界の動きをとらえながら2024年以降、今後の美容外科医・美容皮膚科医の転職事情がどうなっていくのかを予測していきます。

vol.1 「美容医療の医師はまもなく飽和状態?」

厚生労働省は2年ごとに、医師・歯科医師・薬剤師統計(旧:医師・歯科医師・薬剤師調査)を実施しています。最新では2020年末の調査の集計結果が2022年に公開されています。過去の集計結果とあわせて推移を見ると、2010年から2020年までの10年間に次のような変化がありました。

  • 内科、外科の医師が減少して専門分化(例:消化器内科、形成外科)が進んだ。
  • 特に35歳未満の若手医師で内科の専門分化が進んでいる。
  • 若手医師で小児科が減少した。
  • 全体では精神科が増加したが、若手医師では減少している。
  • 外科は減少傾向が続いている。
  • 眼科、整形外科、皮膚科、精神科は大幅に増加している。
  • 美容外科は絶対数は少ないが、最近の増加が顕著である。
  • 過去には若手医師が主たる診療科として美容外科を選択することはほとんどなかったが、2020 年は診療所の35歳未満の若手医師1602人のうち、245人が美容外科だった。

2040年に全国で3万4千人ほど「医師過剰」になるという推計結果を2016年に厚労省が発表し、医学部の入学定員を抑制してきましたが、2022年から定員増に変更されています。

これは、地域の医師確保および研究医養成の観点からの増員ということです。

実際に何が起こっているのでしょうか。顕著なのは、大都市のクリニックの飽和傾向です。都市部の医師は過剰で、地方は医師不足状態、そして診療科による偏在は今後も変わらないと予測されています。

地方病院の勤務医師は、医療資源や情報の少なさや子供の教育の問題などの理由で都市部への転職を志向する傾向が強く、医師が地方から流出する傾向があります。ただし、都市部のクリニックも過当競争のステージに入っており、集患できないクリニックや病院は撤退・廃業せざるを得ないという状況です。

形成外科、美容外科クリニックの増加は、医師数の増加している皮膚科とも関連する領域で、いわゆる美容医療への関心の高まりと関係していると考えられています。特に美容外科は、40歳未満の医師の割合が44%となっており、若手医師が多く参入しています。

このように美容医療を選択する医師が増えている中で、飽和状態になってしまうのか不安に思う医師もいらっしゃいます。採用側の美容クリニック、そしてクリニックの業績に深く関わる美容医療市場は今後ますます成長していくのか、または人口の高齢化で鈍化していくのか。

本シリーズの次回は、採用側のクリニックの動向という観点から、今後の美容医療における医師の需要について考えます。

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