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【コラム】美容医療業界転職市場:どうなる?2024年度以降の美容外科クリニック転職市場≪vol.2≫


戻る 2024/01/05

前回の記事では、ここ10年の医師数の推移を見ながら、美容外科を主たる診療科(常勤勤務先)とする40歳以下の医師が年々増えていることを表すデータについて考えてみました。そこには間違いなく美容外科、形成外科など美容医療に進む医師が増加傾向にあることがはっきりと数字に出ていました。そんな美容医療業界ですが、

「美容外科クリニックや美容皮膚科クリニックの医師はもう足りている?」

「そろそろ美容ドクターも飽和状態?」

「美容クリニックの採用は頭打ち、もう積極的ではない?」

ドクターコネクトにご相談下さる医師から、最近このようなご質問をいただきます。

大手美容外科クリニックの求人・採用の状況は、経営の方向性や安定性、将来性を判断する情報でもあります。そこで、今回は採用側の美容外科クリニック、美容皮膚科クリニックの最近の動向という観点から今後の需要について考えます。


《vol.2》 業績好調クリニックの増員はほぼ完了?

成長を続ける美容医療市場ですが、大手美容クリニックが行っている精力的なPR活動は多種多様なメディアを通じて、毎日のように私たちも見ることができます。

組織が安定的に成長を続けるためにはメディア戦略やコミュニケーション戦略だけでなく、中長期の経営戦略を立案・実行する必要がありますが、大手美容クリニックはどのような戦略をとっているのでしょうか。

✔️ 「横の拡大」「縦の拡大」

一般企業が成長戦略として行う方法と同様に、大手美容外科クリニックや大手美容皮膚科クリニックも業態を広げる「横の拡大」、そして増院・吸収合併による「縦の拡大」という戦略を進めているようです。

「横の拡大」の例としては女性をターゲットにして成功したクリニックが、メンズクリニック、内科、脱毛専門クリニックを始めることなどがあります。また、美容医療で成功を収めたクリニックが一般保険診療のクリニックを始めるという例も挙げられます。これまで、保険診療クリニックが美容医療を始めるという事例が主流でしたが、今ではこの逆のパターンが実現しています。

2023年度の病院経営調査(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会が実施)によると、2021年と2022年の病院の経常利益は約8割が黒字と報告されましたが、実際には、経常収入からコロナ関連補助金を除くと、何と約6割の病院が赤字に転落しています。今後も引き続き、保険診療の病院経営は厳しい経営環境になるのではないでしょうか。

大手の美容クリニックは経営者は医師ですが、明確なビジョンや柔軟な経営戦略をもとに横の拡大と縦の拡大を縦横無尽に駆使して、成長を続けているところが多く見られます。

構築したビジョンに基づいた戦略的な選択、単に美容にとどまらず、大きな医療グループとなるための経営戦略を着実に進めている美容クリニックもあります。

✔️ 稼働力アップで安定経営、収益性の再分析

縦横の拡大や増院の他にも既存院の収益性を分析し、「稼動力」を拡張する動きも見られます。

あるクリニックでは、一つ一つの院の床面積を拡大して患者受け入れのキャパシティを増やすという戦略をとっています。また、診療時間を延長する院を作るなど、さらなる集客と収益率アップを狙うところもあります。これはある院がどれだけ収益性があるかという指標を策定して、効率的な経営を目指しているものと思われます。

✔️ 新しいクリニックブランドの新規参入

大手クリニック以外でも、大手美容外科に所属していた医師が続々と独自のブランド院を立ち上げています。

総合美容クリニックを作るケースが多いのですが、そのブランディングも様々で、一つの施術に特化したクリニックも見られるようになりました。老舗と呼ばれていた美容外科クリニックを知らない世代の医師と患者が美容医療の新しい時代を作っているように見えます。

2022年のある調査では、美容医療に興味がある人の割合が7割を超えているという結果が出ていました。ますます身近になった美容医療は、今後も間違いなく成長するでしょう。まだまだ美容クリニックは増え続け、大きな世代交代が起こる可能性もあります。

まとめ:美容外科医の採用枠は飽和状態?

さて、このような状況の中で肝心の医師採用に変化はあるのでしょうか。大手美容外科クリニック・大手美容皮膚科クリニックの実際の医師求人動向はと言うと、ここ数年、毎年同じような求人数で推移しており、大手クリニックの採用意欲に大きな変化は無いようです。

大きく変化しているのは美容医療業界への転職を希望する医師数の増加です。本コラムのVol.1でも触れたように、「主たる診療科で美容医療を選択する」医師が年々増えていることを弊社エージェントもひしひしと実感しています。

美容外科医・美容皮膚科医の需給バランスはまだ飽和状態ではないものの、転職希望者が増え続けているため、今後は美容医療業界への医師転職は競争がますます激化していくと予想しています。

面接を受ければ、よほどのことがない限り内定が出る保険診療での転職と違い、美容医療業界での採用面接は必ずしも内定が取れるものではありません。

転職を成功させるためには、まず企業研究や業界研究などの情報収集、そして最も重要なのが見学・面接対策です。インターネットの情報ではなかなか本質はわかりにくいので、美容医療業界で勤務している先輩・ご友人に内情を聞いたり、第三者目線で情報を提供してくれる転職エージェントをうまく利用することが成功への第一歩になるでしょう。

ドクターコネクトでは、それぞれのクリニックのビジョンや理念、業態、組織、教育、マーケティング等の多角的な情報を、会員医師の転職の判断基準として共有させていただいています。変革期にある美容医療業界で後悔しない転職をするためには、様々な視点からの判断が必要になると考えています。ご転職を考え始めた際にはぜひ一度ドクターコネクトにご相談ください。

ドクターコネクト編集部
この記事の監修者
ドクターコネクト編集部
こちらの記事は、ドクターコネクト編集部が監修しています。


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