美容外科、美容皮膚科が身近になった昨今、医師の勤務内容も多様化し転職も選べる時代になりました。
研修医1年目・研修医2年目・転科医師が美容外科の求人を探すときには必ず「高年収」「診療科目」「勤務地・勤務エリア」で検索しますが、中でも「高収入」「未経験可」「研修充実」これらはよく見かけるワードです。
その中で研修充実とは、何が充実しているのかと思ったことはありませんか?
また、実際に転職された医師の方で思っていた内容と違った、ということはありませんか?
研修について詳細に記載している求人は殆どなく、本当に研修内容が充実しているクリニックも実はほんの一握りというのが現状です。
では、研修が充実しているクリニックはどこなのか?
そこで、美容クリニック業界最大手である「湘南美容クリニック」の研修内容を見てみたいというご要望が多く、毎年恒例の「湘南美容クリニック研修合宿」に2日間密着取材いたしました。
実際に行われている研修内容や教育制度について、取材した合宿内容を包み隠さずご紹介いたしますので、ドクターコネクトでしか見られない内容をじっくりとご覧ください。
12:30~ | |
新人医師に向けて心得 | 講師:金児美医師 (新宿本院副院長) |
15:30~ | |
教育制度について | 講師:飯田秀夫医師(辻堂アカデミア院院長 統括技術指導医) |
17:00~ | |
SBC制度、安全の成り立ち | 講師:居川和広医師(代表補佐) |
18:30~ | |
目標設定 | 講師:竹田啓介医師(新橋銀座口院院長 兼 SBC脂肪吸引最高責任者) |
19:30~ 懇親会 |
研修開始 入社式・理念研修後、熱海にて3日間の研修合宿を行い、新宿本院での研修経て各院に配属になります。
1ヶ月の見習期間がスタート。新しい職場になりますのでまずは社会人として率先した挨拶、声かけをすることを心掛けましょう。
まず初めに、1日の流れや動きの確認になります。
どのような流れで一日が始まり、どのような流れで1日が終わるのか、その中でお客様がどのように流れ、スタッフがどのように関わっていくのかを把握します。
保険診療との違いとして美容クリニックでは、看護師だけではなく「カウンセラー」と呼ばれる重要な役割を担うスタッフも一緒に仕事をすることになります。
湘南美容クリニックでは美容外科の他に、美容皮膚科領域の医療レーザー脱毛も行っています。
実際に脱毛をするのは看護師になりますが、医師の初めての仕事として肌の状態をチェックすることから習得していただき、最初の一番大きな仕事になります。
次に比較的習得のしやすい分野になる美容皮膚科の基本的な習得、レベル1(手術の中でも基本的な内容)を中心に、どのように説明・カウンセリングをし、手技はどうすればいいのかを徹底的に見学・学習します。
手術だけではなく、ガイドラインなどの各種マニュアルも完備していますので、様々な決まりごともあります。
例えば安全対策マニュアルでは、合併症がある人はどうしたらいいのか、色々な手術を同時に受けたい人がいるがどこまでやっていいのかなど、マニュアルが用意されていますのでしっかりと把握していただきます。
また、メニューを覚えることも大切です。
これはお客様に説明する上で重要になり、このメニューをやりたいと言われることも多く、よく質問もされます。
その他に湘南美容クリニックでは職員同士で略語も使用していますので、業務がスムーズになるようにこちらも覚える必要があります。
これが1ヶ月目の流れになり、この期間で大体のシステムやどのようなことをやるのかというのがわかります。
また、見習い期間中はお客様と接する機会も少ないため、初めての美容外科、美容皮膚科でも安心して取り組めます。
少しずつお客様の対応が始まり、自分の予約枠が作成されます。
見習い期間中は自身の習得状況やオペの見学希望などで習うことも多いため、それに合わせて予約を入れる時間や、見学の時間を調整しながら勤務ができます。
その中で最も重要になるのが「技術習得」です。
技術習得とは、自分がどの手術ができるのかを明らかにするための表があります。
つまり、表を更新することで自分ができる手術やクオリティの高い施術を増やしていくことになり、とても重要になります。
次にプロフィールページの作成依頼をします。
まだ入職したばかりで自分のことを知っているお客様はいません。
自分の顧客を増やすためにも出身やアピールポイントを掲載することで、顧客を増やすことに繋がり予約が入ります。
それに合わせてお客様のために「お迎えする型」の練習をします。
殆どの医師は保険診療からの転職かと思いますが、美容外科、美容皮膚科は自由診療になりますので、お客様に対する「おもてなし」というのも必要になり、お客様に選んでもらうというのが大前提です。
通常、保険診療では患者さんが来た際には挨拶をする程度になりますが、お客様相手になりますのでしっかりと礼儀をしなくてはなりません。
そこで、ある一定のフォーマットを用意していますのでそちらを参考にしていただきます。
例えば、名古屋院院長の高川裕也医師による挨拶についての動画などが、自己紹介するときに「この医師だったら任せてもいいわ」と思われるような挨拶をしましょう、という決まりがありますのでしっかりとやっていただくというのが一つです。
また、必要に応じて名刺を作成してもらうこともできますので、色々準備を整えて自分の顧客を増やすように心掛けましょう。
自分の技術力をより一層高めるためにお客様対応、皮膚科処置、埋没法の実施を行っていきます。
症例数をこなせばこなすほど手術のクオリティが上がっていきますので、どんどん実践していきましょう。
他のクリニックでは、短い研修後に1人り立ちし通常業務をこなすことが多いですが、湘南美容クリニックでは日々研修が行われ、研修を受けられる環境が整っていますので技術を向上しながら積極的に取り組むことができます。
入職1年目の目標はレベル1、2の100%習得になります。
レベル1、2の施術は美容皮膚科における皮膚科治療、二重の埋没法、各パーツの小切開(目頭切開、下瞼の脱脂など)、鼻プロテーゼ、脂肪注入など、比較的トラブルも少なくニーズの高いメニューの習得が目標になります。
これは年々変化がありますので、その都度基準を変更しています。
今自分ができる手術や手技がどれくらいあり、どのくらい習得しているかを一覧で把握できると同時に、できる施術を習得・進行させるために表を使用します。
できない施術~ハイクオリティに施術ができる、他の医師に指導できるなど段階があり、これをしっかりと進めていくことが主な仕事です。
もう一つ、施術をより一層向上させるためにも基準があり、次にすることを明確にすると同時にどのような条件があると進めるかも表記されています。 表の一覧を見みながら何を進めるなければいけないのか、というのを頭に入れながら日々の業務に専念することができます。
表の中にはランクの欄がありレベル1、レベル2など湘南美容クリニック独自の基準でランク分けされています。
これは手術の難しさやどのくらいの段階で習得すればいいのか、と示したランク付けになっています。
レベル1、2は超基本となる二重の埋没法など、誰でも知っていなくてはいけない項目になります。
これは湘南美容クリニックで分院長候補になるための必須項目にもなり、院長への資格が与えられます。
次にレベル3、美容外科医として習得しておきたい施術になり、例えば目の手術になりますとタッキングによる眼瞼下垂のように、主にあまり切開しなくてもいい糸を使った施術などになります。
レベル4は全切開など切開系を中心とした切る手術になります。
レベル5は美容外科専門医を習得するために習得しておきたい施術です。レベル4よりも少し進んだ手術になり、例えばルーフと言った眼輪筋が腫れぼったく、上瞼のボリュームを無くす手術など少し特殊な施術になります。
レベル6は限られた医師向けのかなり難しい施術になります。
そもそもどのような基準でランク付けをしているかというと、一般的には簡単な手術の方が患者数も多く、難しい手術は少ない傾向にありリスクも高くなることから、手術の難易度と患者数で分けています。
1年後からはそれぞれの進路に分かれていただき、今後どのような医師になりたいかによってキャリアパスを主に2つから選択できます。
分院長になりたい人のコース。分院長候補生となり、小型院、中型院、大型院、超大型院の順に院長を経てエリア統括を目指します。分院長とはクリニック経営やスタッフ管理など色々の事を考えながら勤務し、イメージとしては小さな企業の社長のようなポジションになります。分院長希望申請後に総合的に判断した上で決定になりますので、できる手術を増やすことが必要になります。
分院長にはならずに、業績、技術、教育、特殊分野、CS、ES(お客様・スタッフの評判)等、多面的に活躍する中~大型院の副院長を目指します。あまり異動ができない人に向いています。
もちろん、全てのコースは一度決めてしまっても進路変更が可能です。
家庭の事情やプライベートの状況に応じた異動希望等に応じて変えていただくことも可能です。
5年を終了した時点で希望者には、JSAS(日本美容外科学会)の美容外科専門医を取得していただけます。
技術習得を進めるための教育システムの一つとして、あと数例手術をすれば次のステップに進めるという場合には、技術指導医の集団がありますので、習得が進んでいない医師または指導できる医師が少ない院には、技術指導医が各院に出張し実際に指導も行っています。
手術が上手くなりたい場合にどうすればいいのか、どのように勉強を進めていけばいいのか、上手な勉強の進め方をご説明します。
もちろん学術な勉強もしなくてはなりませんが、手術が上手くなるためには手術の練習→実践→フィードバックの繰り返しが上手くなるためのセオリーになります。
そのためには知識も身に付けなくてはいけませんので、教科書、雑誌、学会、手術の見学などがあります。
雑誌については美容外科に関するものがあり、湘南美容クリニックでも定期的に購入しています。
また、雑誌や教科書だけではなく湘南美容クリニック独自のメニューも沢山ありますので、HP(ホームページ)をよく見ていただくことも大切です。
お客様は掲載されている内容をよく見てからクリニックに来院するため、必ず質問がありますので答えられるようにしましょう。
それと同時にHPには色々な知識が詰まっています。湘南美容クリニックに限らず同じような美容外科、美容皮膚科の他院も非常に参考になります。
中には教科書並みに書いてあるクリニックもあります。
また、他のクリニックにないメリットとして湘南美容クリニックでは、学問的なことを身に付けるための取り組みとして全常勤医師のJSASへの入会費、年会費を負担してくれますので学会に参加することもできます。
また、大規模なクリニックだからこそできる医療レーザーやヒアルロン酸注入などの各メーカー主催で行っている、医師による講習会、勉強会も開催してくれますので積極的に参加しテクニックを学ぶのも一つです。
また、全国の美容外科クリニックのなかで一番と言っていいほどの研修が、日本ではなかなか開催できない湘南美容クリニック主催の、ハワイ大学の解剖学教室協力の下「ハワイ大学解剖実習」もあります。
2年目、3年目で色々な手術ができるようになり、新しい手術、切開系にチャレンジしたい医師に向けて年2回開催しています。
どのような手術がやりたいかを各医師にリクエストを取り、ホルマリン漬けされていない軟らかく新鮮な解剖体を1人につき1体与えられます。
ハワイ大学の解剖学を専攻されている教授の講義や、手術向けのシミュレーション、1日かけた解剖実習を行っていますので積極的にチャレンジができる環境が用意されています。
普通のクリニックでは考えられませんが、ハワイで研修中も出勤扱いになり、旅費も負担してくれることから医師の教育面でもかなりの資金を導入し、力を入れているということが伺えます。
技術を身に付けるためには見学も重要です。ただし、見るだけでは鑑賞になってしまいますので以下の事を心掛けながら見学をしましょう。
これが手術を上達させ、自分のスタイルを確立する一番の近道です。
また、勤務中は自分の予約患者が第一優先になりますので、休日を上手に使う先生は上達が早い傾向にあります。
技術教育に特化した施設「辻堂アカデミア院」を設立しました。
技術指導をメインにするシステムを作ることで技術習得を行い、技術習得を進めることを目的としています。
手術中の指導はもちろん、術前術後も共に診察指導することが可能になり、適切なフィードバックをかけることで効果的にレベルアップを図ることができます。
もちろん手術のみの見学も可能です。
しかし、北海道や九州など遠方に勤務している医師は院で直接指導を受けるのは難しいことがあります。その場合には「動画配信システム」を使い手術の見学が可能になっています。
学会などで使用しているライブサージェリーと同じような仕組みで、会話などもできるためその場で質問もできます。
ライブ映像を見ることができない医師にはポータルサイトに「手術動画」が保管してありますので、各施術のマニュアルと合わせていつでも見られる状態になっています。
決して手術を見られない、学べないといことはありません。
OPEができたとは結果が出せることです。10件手術をして2件はハイクオリティにできたでは満足とは言えません。
最初のうちはお客様の希望以上の施術を提供することは誰しもが難しく、症例を重ねるにつれてもっと上手くなりたいということも沢山あります。
自分で考えることも必要ですが、一人で悩まずにまずはオーベンや見守りをしてくれた医師に直接相談することがいいでしょう。
それでも解決ができない場合には専用の「医師相談窓口」の相談フォームもありますので、気軽に活用し解決しましょう。1人で悩む必要はなく相談ができる環境が整っています。
研修合宿1日の最後は懇親会です。
研修中にご指導してくださいました先生方の他に、必ずといっていいほど各院の院長先生などが勤務後に新入社員のために来てくださいます。
ここでは、研修中に聞けなかった美容外科、美容皮膚科についてやお互いのプライベート、医師として心掛けていることなど、ベテラン医師に聞ける貴重な機会があります。また、同時に同期の医師との交流もできます。
医局や病院によっては同じ科でない限り、医師同士で医療について話す機会が少ないところも多いですが、ここでは形成外科などの外科系、皮膚科、麻酔科、内科、精神科など様々な医師と分け隔てなく相談し合い語り合える場がありますので、それも魅力の一つだと思います。
SBC湘南美容クリニックへの入職イメージは沸きましたでしょうか。美容外科・美容皮膚科で医師の教育制度がしっかりしていて、開示されている組織は現状SBC以外にないでしょう。
SBCに限らず美容外科、美容皮膚科、AGAなどに興味をお持ちの転科希望医師は一度ドクターコネクトの専任エージェントにご相談ください。WEBでは知れない内容をリアルタイムにお伝えします。
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