医師の働き方改革をきっかけに考える5年後の働き方

2024年4月より、勤務医に対して時間外労働の上限規制が適用されます。新たな上限は「原則として年間960時間以下(救急医療や研修医などの特例を除く)」。医師の働き方改革が進められるという情報に触れて、「環境を変えたい」「仕事のやり方を見直したい」「転職を検討したい」と考えた方も多いのではないでしょうか。

労働時間の話が先行しがちな働き方改革ですが、あらためて制度の概要を紹介して、「変わること」「変わらないこと」を整理いたします。将来のキャリアプランや転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

「医師の時間外労働規制」の中身をおさらい

医師の業務は予測不可能なことが多く、時間外労働が生じてしまうのは当たり前といっても過言ではありません。

時間外労働の要因は「緊急対応」「手術・外来対応の延長」

厚生労働省の「医師の勤務実態調査」を見ると、現状は多くの医師が週に20時間も時間外労働があるとのこと。月で換算すると約80時間の時間外労働となり、1年では960時間にも及びます。「労働時間が多い割に収入が少ない」 「研究や学習の時間を確保したい」という医師の多くが、働き方に疑問を感じているというのもうなずけます。
出典:厚生労働省「医師の働き方改革について」

「長時間労働の指摘がある業種・職種の実態について」と題された厚生労働省の職種別調査から、1週間の労働時間が60時間を超える割合を確認すると、医師が41.8%と群を抜いているのがわかります。男女は関係なく、20代〜30代がピークです。時間外労働の主な理由としては「緊急対応」「手術・外来対応の延長」が上位2つとなっています。

医師の健康を守るためには「追加的健康確保措置」が重要

このような状況を受けて、2024年4月より月100時間、年960時間の時間外労働の上限規制(A水準)が導入されることになります。しかし、例外として救急医療や地域医療(B水準)、多くの症例数を経験せざるを得ない研修医(C水準)などは「年間1860時間以下」の上限規制が定められることが決まっています。

医療現場からは、「改革が完了する前に医師が疲弊してしまうのではないか」「体を壊す医師が増えるのではないか」といった懸念が聞こえてきています。そこで、医療機関の院長や管理者には医師たちの健康を守るために、面接指導、勤務間インターバル、代償休息などの追加的健康確保措置を取ることが重要となってきます。

生労働省のガイドラインにみる「どこまでが労働時間?」

厚生労働省では、いわゆる36協定(サブロク協定)で締結できる通常の時間外労働について月に45時間以下、年360時間以下と定めています。しかし、現状は、2倍以上の残業をこなしている医師も少なくありません。医師の勤務実態は大学病院、個人病院、または科目によってさまざまですが、いずれも通常の時間外労働の基準を上回っています。

医師が過重労働に陥る3大要因

医師の過重労働につながっているのは、勤務時間の長さや当直の負担、診療以外の雑務などが挙げられますが、そもそもなぜ過重労働に陥ってしまっているのでしょうか? 3つの要因を紹介します。

要因①現場の人手不足

医師の過重労働を招く根本的な原因は、慢性的な医師不足です。 2020年はコロナウイルスの感染拡大があり、医療現場が逼迫していると話題になりました。慢性的な医師と医療スタッフの人手不足に加え、コロナ患者への対応で複数の人手を取られたことが原因です。
終わりの見えない感染拡大に医療現場で働く人々の疲労はピークに達していますが、それでも使命感のもと何とか持ちこたえていらっしゃるのが実情です。

要因②「残業は当たり前」の職場文化

ひと昔前までは、職種に限らず残業は当たり前という文化が根付いていましたが、医療は今でもその傾向が強い業界です。緊急対応や手術・診療の延長が常に発生するため、残業でカバーしようとなりがちですが、過重労働が常態化すると転職が増え、さらなる人手不足に陥ってしまいます。

要因③労働時間が不透明

当直や掛け持ちなどの実態が記録されないことが多く、医師の労働時間は不透明です。急患が頻発すると、オンコールの負担が増加。プライベートの時間であっても、急な呼び出しに対応できるように待機している状態となります。休日であっても働いている感覚が抜けない医師が多いのではないでしょうか。

また、大学病院で勤務している医師の例を見ると、研究や論文執筆、学生の指導などを勤務終了後に行うため、実態的な退勤時間が夜中の午前2時になることもあります 。研究や学生の指導などは労働時間として算出されず、実情を把握できていない病院がほとんどです。

医師の働き方改革によって変わる5年後

医師の働き方改革として、時間外労働の上限規制が適用されることによって、残業削減に対する意識が高まるのは間違いないでしょう。残業は当たり前の文化が変われば、医師の健康が守られるようになるとともに、質の高い医療サービスを提供できるようになります。

労働時間の「見える化」が進み、残業削減へ

年間・月次・週次の労働時間の基準が明確になり、「残業の見える化」が進むと、業務の見直しが求められるようになり、必然的に残業は減ることになります。改善が進んでいる病院旧態依然とした病院がわかるようになれば、よりよい環境を求めて転職を検討する医師が増えるのではないでしょうか。

掛け持ち・アルバイトできる医師が増える

時間外労働が減ると、自由に使える時間が増えて、やりたかったことができるようになります。医師としてキャリアップしたい人の視野が広がり、アルバイトなどの体験を通じて、新たなステージにチャレンジするケースも増えるでしょう。

美容医療分野への転職で環境改善を図る医師が増える

時間外労働の上限規制が適用されるとはいえ、ルールが遵守された場合も残業が少ないとはいえず、多忙な日々が改善されるかどうかは不透明です。

「労働時間を改善したい」
「患者様と向き合う本来の業務のシェアを高めたい」
「時間あたりの収入を増やしたい」
と考えるなら、前述の美容医療分野への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

美容外科・美容皮膚科は予約制なので、急患は発生しない当直やオンコールといった仕組み自体がないクリニックが多く、プライベートの時間を確保しやすい分野です。家族と過ごすもよし、技術を磨くもよし。休む暇がなかったこれまでの環境を一変させることができる可能性があります。

まとめ

2024年から適用される「医師の時間外労働上限規制」ですが、これまでの過重労働が緩和されるには、それぞれの医療機関での取り組みが必要不可欠になってきます。人手不足を解消し、労働時間の管理を強化しながら、医師が望む環境を構築できるかが課題となりそうです。

そのような状況下で、現状を改善すべく美容医療への転職を視野に入れる医師も増加中です。美容外科、美容皮膚科は時間外労働がさほどないクリニックも多く、「当直やオンコールなし」「技術を高め、患者様の信頼が得られれば高収入がめざせる」といった条件が人気の理由となっています。

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医師の転職理由の多くは「忙し過ぎる」

理由のひとつ、医師の業務が増え続けている

医師の転職理由

医師不足が慢性化している地域でも医師の業務範囲は拡大し事務処理は増え続け、海外では看護師が対応していることも、日本では医療行為とみなされるものは医師が対応するべきという風潮があります。

「医師がやるべき」ことが増え、時代と逆行し医師の働き方改革は見送りとなっているのが現状です。

美容医療業界ではカウンセラーを配置したり、看護師の裁量も大きく、医師が施術に注力できる環境を整えているクリニックが多くあります。しかし美容医療業界、自由診療ならではの医師に求められるものがあります。

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