医師は人の命を救うだけでなく、コンプレックス解消のお手伝いができる仕事です。しかし、近年注目を浴びる美容外科医の選択肢を検討した際に「落ちこぼれ」と言われているのを知り、ショックを受けた医師もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に美容外科医と検索すると落ちこぼれというキーワードが時々見られます。
しかし、美容外科医は患者様の美しくなりたいという純粋な気持ちを叶えるために欠かせない役割を担います。それにもかかわらず、なぜ美容外科医が落ちこぼれと言われるのでしょうか。
この記事では美容外科医が落ちこぼれと言われてしまう理由を検証します。また後半では落ちこぼれではないと考える理由もご紹介いたします。美容外科医になるメリットや就職・転職のポイントも解説するため、転職の選択肢として検討してみてください。
美容外科医は医師の中で「落ちこぼれ」などと言われることがあります。実際に言われた経験のある方や、これから美容外科医を目指している方の中には悩んでいらっしゃる方もいるかもしれません。
結論として美容外科医は必ずしも全員が落ちこぼれではありません。
「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」の調査によれば、日本全国に美容外科医は約1,000人います。中には非常に優秀な医師も大勢いらっしゃいます。一部には美容外科医として適性があるとはいえない方もいるかもしれませんが、これはどの診療科でも起こり得ることです。
ここでは美容外科医が落ちこぼれではない3つの理由を詳しく解説します。
基本的に美容外科医に必要なものは医師免許のみです。未経験でも就職できるクリニックも少なくありません。そのため、医学部在籍中や研修医としての成績が悪い、保険診療での勤務に耐えられないなどの理由で美容外科医になろうと考えている人が一定数存在するのもまた事実かもしれません。しかし、美容外科医にも優秀な医師は多く、名医と呼ばれている医師もいます。また、優秀な医師をトップにおき、未経験者の研修に力を入れているクリニックも多く存在します。「落ちこぼれ」になるかどうかは個人の資質や能力によるもので、美容外科医もまたその例外ではありません。
美容外科は病気や怪我の治療が目的ではないため、他の診療科よりも社会的な存在意義が小さいと考える人もいます。
しかし、現代はよくも悪くも、人の見た目が大きな意味を持つ社会です。Instagramのような写真を中心とするSNSの流行、コロナ禍からスタンダードとなったオンラインミーティングの影響なども後押しし、自分の外見を気にする人が今まで以上に増えました。その結果、美容外科で気になる部分を整えたいと考える人も多くなっています。
患者様が自分のコンプレックスを解消することで自信を持てるのであれば、美容外科は社会に大きな影響をもたらしていると言えるのではないでしょうか。医師の役割は命を救うことはもちろん、よりよく生きるためのサポートも含まれています。患者様の悩みに対して医学的にアプローチできる点もまた医師にしかできない役割と言えるでしょう。
美容外科は単なる見た目の改善を目的とした贅沢品のように見られることがありますが、実際にはれっきとした医療行為であり、患者の心と身体の両面に深く関係する重要な医療の分野です。
美容外科クリニックには、外見に対する強いコンプレックスが原因で、人との関わりを避けたり、うつ状態になってしまっている患者様も多く来院します。
このような患者様が美容外科の施術によって自信を取り戻し、社会的なつながりを回復できるケースも少なくありません。
当然ながら、美容外科の施術にも高度な医学的知識と技術力が必要不可欠です。
見た目を綺麗にすることはもちろんですが、皮膚の構造や血管・神経の位置、麻酔の管理など、安全を最優先に考えて施術を行われなければならないためです。
また、美的センスやコミュニケーションスキルも高いレベルが要求されます。
このように美容外科は単なる商業行為ではなく、高度な医療知識と経験・スキルをもって患者様の人生を前向きに変えることのできる尊い医療分野の一つなのです。
近年、美容外科や美容皮膚科などの美容医療分野に、内科や外科、皮膚科などの他科から転科する医師が増えています。
美容外科医が高度な技術力と判断力が求められる専門職であるという事実が理解されるようになり「美容外科医は医者じゃないのでは?」といった偏見がひと昔前に比べてなくなってきていることが主な理由です。
中でも細やかな手術を得意とする形成外科医や心臓外科医などは、美容外科でも技術や経験を活かすことができます。
医師としての新しい可能性を広げたいと考えるなら、美容外科や美容皮膚科は有力な選択肢と言えるでしょう。
転職を視野に入れた今こそ「美容は医者じゃない」といった先入観を捨てて、自分に合ったキャリアパスを見つめ直してみてください。
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メール相談はこちらそもそも、美容外科医はなぜ落ちこぼれと言われるようになったのでしょうか。医療関係者だけでなく、一般の人にも美容外科医を医師の中で落ちこぼれと考える人がいるのには理由があります。ここでは落ちこぼれと言われるようになった理由を推測します。
美容外科は比較的新しい領域です。医学部では形成外科について学ぶことはあっても、美容外科の領域について学ぶことが少なく、美容外科を低く見る風潮や美容外科医に対して「せっかく医学部に行ったのにもったいない」といった印象を抱く人がいると考えられます。
また、2年間の臨床研修修了後、病院勤務に耐えられない等の理由から美容医療業界への転職を考える方が毎年一定数存在します。そのため、病院勤務から脱落した「落ちこぼれ」が美容外科医になるというイメージが定着した可能性があります。
近年では、美容整形への偏見が薄れ、美容外科医の需要も高くなっている印象です。情熱をもって美容外科医への道を選ぶ若い医師も増加の一途です。しかし美容医療がまだ浸透していない地方・地域などでは、美容外科医は「落ちこぼれ」という考えがいまだ根強く残っていると感じるのではないでしょうか。
TVなどでも有名な医師や、SNSで積極的に発信している医師の発言が元で美容外科医に対して「落ちこぼれ」というマイナスイメージを抱く人もいます。
実際、インターネットで検索すると美容外科医に対してネガティブなイメージを語るインフルエンサーの記事や動画は多く見受けられます。こうしたものに触れることで、美容外科医は落ちこぼれというイメージを持つ人が増えたのかもしれません。
ネット上の情報は玉石混交です。投稿者の主観だけでなく根拠があるかを見極めた上で参考にすることが欠かせません。
当然のことながら、美を取り扱う美容外科医は最先端の美容に関する知識が豊富です。また、そもそも美容に関心がある、いわゆる美意識の高い人が美容外科医を目指すケースは多いでしょう。中には説得力を持たせるため外見に気を配っている医師もいらっしゃいます。
さらに、自由診療である美容外科では、美容外科医自身がクリニックの顔となるケースも見られます。美容に敏感な患者様から見れば、身なりに無頓着な医師よりも美しく魅力的な医師がいる美容クリニックのほうが好まれることも少なくありません。こうした事情から他の診療科と比べると見た目が華やかな医師が多い傾向があります。
しかし、一般的に「医師」には「華やか・派手」なイメージは直結しないため、外見や私生活が華やかなイメージの美容外科医ははみ出し者、落ちこぼれという意見が広まったのではないでしょうか。
美容外科や美容皮膚科といった美容医療の分野は、大学の医学部では専門的に学ぶ機会がほとんどありません。
そのため、医師として国家資格を取得していても、美容医療の実務に触れることなくキャリアを積んでいるケースが大半です。
つまり、元形成外科の医師もその他の科から転科した医師も“直美(ちょくび)”(初期研修を修了した医師が、そのまま美容医療クリニックに就職すること)の医師も等しく、美容外科のトレーニングはほぼ受けていないということです。
結果的に、経験の浅い美容外科医が増えていき「美容外科医はおちこぼれの医師」という言われ方をされる原因になっていることが考えられます。
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メール相談はこちら落ちこぼれといった偏見がまだ残っているとはいえ、美容外科医はやりがいがあり、転職先として人気のある仕事です。ここでは美容外科医をおすすめできるポイントを3つご紹介します。
美容外科は比較的ワークライフバランスを確保しやすい点がおすすめポイントです。患者様は美容目的で利用しているため急患の呼び出しは基本的にありません。また勤務時間は10:00~19:00または11:00~20:00で診療しているクリニックが多く、夜勤・当直もありません。さらに、完全予約制のクリニックが多いため、残業が少ない傾向にあることもワークライフバランスを重視する人に適していると言えるでしょう。
自由診療を中心とする美容外科クリニックでは、治療内容やそれにかかる料金を各院が設定しています。また、一人あたりの治療単価が高いこともあり、美容外科医の給与は相対的に高い傾向です。平均年収は2,000万円以上とも言われています。加えて、技術力を磨いて患者様から選ばれる医師になれれば、さらなる年収アップも見込めます。実力次第で高い給与を得られる可能性があるところも、美容外科医の魅力の一つです。
美容外科医として、患者様の「きれいになりたい」という願いを叶えられることは、やりがいのひとつです。
美容外科ではカウンセリングや施術を通して患者様とコミュニケーションをとる機会が多くあります。直接的にリアクションを見られることも、やりがいや働きがいにつながるでしょう。
近年、美容医療業界は著しい成長を遂げており、美容外科や美容皮膚科へのニーズが急増しています。
それに伴い、美容外科医・美容皮膚科医の求人数も年々増加しているため、医師の臨床経験年数や診療科、専門医有無によっては“売り手市場”になり得る状況であると言えます。
大手クリニックだけでなく、地域密着型の美容クリニックも医師の確保に積極的であり、未経験からでもチャレンジできる環境が整いつつあります。
また、AGAや脱毛などのクリニックでは、研修明けの医師の採用を積極的に行っているところも少なくありません。
年収や働き方の自由度、医師としてのやりがいを感じやすいことから、美容医療業界への転職は多くの医師が関心を寄せています。
中でも、皮膚科医・形成外科医の経験、皮膚科専門医・形成外科専門医は美容医療業界でも重宝されやすいので、該当する方は特にキャリアアップのための転職を検討してみてください。
美容外科や美容皮膚科は一見すると一般診療科とはまったく異なる分野のように思われがちですが、実際にはさまざまな診療科で培った医師としての経験が活かせる場面が多くあります。
特に形成外科や皮膚科、麻酔科などの知識は、美容医療の現場で非常に重宝される傾向があります。
例えば、解剖学的知識や縫合技術、局所麻酔の手技は、美容外科医としての施術に直結するスキルです。
また、一般診療科で培った患者対応力やリスクマネジメントの経験も、美容医療の現場で重要視されています。
美容は「命に関わる分野ではない」と誤解されることもありますが、実際には副作用やトラブルの可能性もあり、安全管理や患者様への丁寧な説明が欠かせません。
「美容は医者じゃないのでは?」といった偏見を感じることがあるかもしれませんが、実際には医師の専門性が問われる医療行為の連続です。
転職において、美容外科や美容皮膚科は新しい挑戦であると同時に、これまでのキャリアを再評価し、活かせるチャンスでもあります。
医師としての資質やスキルを違った形で発揮したい方にとって、美容医療は非常に魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。
美容外科医はやりがいがあり、また給与が高いといったメリットもある仕事です。ここでは美容外科医に就職・転科したいという医師のために就職・転職市場の動向を解説します。
美容外科医になるために医師免許以外に必要な資格はありません。また、未経験可としている美容クリニックもあるため、他の診療科から転科する方は大勢いらっしゃいます。医師免許を持ち、美容医療に興味があれば就職・転職後の研修や実務を通して美容外科医としてのスキルを身につけていくことは可能です。
近年では研修医から美容外科に転職する方も増えてきました。大手クリニックでは臨床研修明けの医師が美容外科医としてスキルアップできる研修体制を取っているケースが見られます。そのため、転職時にスキル面で不安を感じる場合は研修体制にも注目してクリニック選びを行う方法がおすすめです。
転科する際のポイントとしては、経験値やタイミングによって異なります。大きく分けて「臨床研修明け」と「保険診療で数年の経験を積んだ後」に分けられます。
臨床研修明けで転科を希望する先生の場合、美容外科医と近しい形成外科や皮膚科などの経験がほぼないことから不安を感じますが、研修体制が整ったクリニックならば美容外科医として知識や経験を積むことは可能です。入職前と入職後のミスマッチを極力少なくするため、クリニック見学ではクリニックの雰囲気や研修内容など様々な角度からクリニック情報を得ることが転職成功の大きな鍵となります。
一方、保険診療である程度経験を積んだ先生の場合、美容外科医としての業務は保険診療勤務とのギャップを感じることが考えられます。そのため、各院の研修制度の確認はもちろんですが、勤務環境や雰囲気、その他医業以外の業務に対応できるかが転職成功の鍵となります。
ご自身でのクリニックの見学調整や業務内容の確認などが難しい場合はキャリアカウンセラーへの相談をするとスムーズに転職活動が進めることが可能です。
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メール相談はこちらすべての美容外科医が落ちこぼれというわけではありません。美容医療業界の中には優秀な医師も多くおり、社会貢献もできるやりがいのあるお仕事です。
それでも落ちこぼれと言われてしまうことがあるのは、安く治療を受けられる保険診療が常識の現状や、TVやSNSで広まったイメージなどが影響しているのでしょう。
一度定着したイメージを消すことは難しいものの、見た目が重視される現代では美容医療を受ける人も多くなっています。そのため、優秀な美容外科医はますます必要とされていると言えるでしょう。
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