研修医として勤務している中で、美容外科の分野に興味が湧き研修医からの新卒採用転職を考える人も多いのではないでしょうか。一方で、大学医局で所属した方がよいかと悩む方もいるでしょう。今回は、研修医の主な進路や決まらない場合の選択肢をご提案します。
ここでは初期臨床研修医(研修医1年目・2年目)の進路について紹介します。
今までは、医学部を卒業した学生たちは研修医として大学医局に所属し、大学病院や関連施設で経験を積む方法がスタンダードでした。しかし、近年では進路の選択肢が広がり、どの方法で経験を積んでいくのがベストか悩む方も増えています。
主に臨床研修後の進路には、以下の選択肢などがあります。
・大学医局に所属し、大学病院や関連施設で専門研修まで進む
・大学院に通いながら研修を進め、博士号取得を目指す
・大学医局には属さず、市中病院で専門研修まで進む
・QOLを主軸とする美容外科医や美容皮膚科医の分野へ就職する
研修医が美容外科医を選択すると同時に天秤にかけている大きな悩みの一つが、大学医局に在籍するかどうかです。大学医局は、研修医が勉強できる教育システムが整っているため、所属しておくと専門医の取得に必要な症例を経験しやすいメリットがあります。
また、大学病院と関連施設があるため、高度な専門医療を学ぶ環境もあり、海外留学や研究職なども可能性が広がります。
一方で、大学医局に在籍せず経験を積むことにもメリットはあります。
大学医局に在籍すると、希望している勤務先ではない大学病院や関連施設に異動する可能性が出てきます。医学知識が偏らないようにする、各病院の医療レベルを調整するなどの理由により、数年ごとに勤務先の異動が発生するでしょう。
大学医局に在籍せず自ら勤務先を選択すれば、希望に沿わない異動はなくなります。
また、大学医局では学会や論文などの発表に向けてアカデミックな知識を身につける必要性が高く、基礎研究に時間を取られがちです。
大学医局をやめて自ら勤務先を自由に決めれば、基礎研究に取られる時間が減り、勤務先の病院で実践的な医療や症例などに多く触れられるメリットがあります。自由に勤務先を選択できるため、給与や勤務時間などの条件を選びやすいこともメリットの一つです。
なお、ここ数年研修医転職の人気上位である美容医療では美容外科医(新卒研修医)受け入れ実績17年以上などのクリニックもあり研修医1年目・2年目の早期獲得に大きな予算を設けています。美容医療は専門医資格はありますが必須ではなく、人材ニーズが高い分野です。大学医局在籍以外の進路を検討している方は、美容外科医・美容皮膚科医などの美容医療分野への転職・新卒就職を検討してみてはいかがでしょうか。
専門研修(後期研修)修了後は、所属病院や関連施設に就職する流れがスタンダードです。専門研修は、初期臨床研修時よりさらに専門的な領域を学びます。そのため、専門医取得を目標に経験を積む方が多い傾向です。
また、2018年に導入された新専門医制度により、履歴書や保有資格欄に取得している専門医の明記が可能になったため、専門医取得の需要が上昇傾向にあります。新専門医制度とは、国民に対し広く良質な医療を提供することと、医師のキャリア形成支援をサポートすることの両方を重視するために導入された制度です。
従来は専門医は認定基準が統一されておらず、各学会が独自に基準を定めていたため、取得の難易度や専門医の質にばらつきがありました。しかし、新専門医制度は、第三者機関である日本専門医機構が運用しており、基準を統一することで専門医の質の確保が可能になりました。
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メール相談はこちら進路の方向性を決定するためには、エージェントに相談し第3者視点での意見を参考にし、自由診療に向いているか近い将来のイメージを共有して先輩医師の状況を得てください。また学問的興味のある分野、やりがいを感じる分野、初期臨床研修の経験から意識が向いた分野、得意な分野などを考えることが必要です。先輩医師は地域医療の在り方や医師の存在意義・QOLや様々な視点で美容外科医を選択してます。
臨床研修を完了した研修医のうち約5割は、臨床研修を受けた病院や施設で専門研修を受けています。つまり、残りの約5割は研修先・勤務先を変更しているといえます。臨床研修後に進路を変更することもめずらしいことではないようです。
臨床研修後の進路が決まらない場合でも、不安に感じることはありません。幅広い選択肢があることを理解しておきましょう。
専門研修後は、認定試験を受けて専門医の資格を取得する方が多い傾向です。しかし、研修中にその分野が実は自分がやりたいことに沿わない、業務内容や環境が合っていない等のミスマッチが起こることも。その場合は転科を考えたり、受け持つ患者数や給与面、当直回数、勤務時間数、福利厚生などのワークライフバランスを考えた労働環境の条件から新たな勤務先を選ぶことも一つの手段です。
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医師の進路決定において最も重要なステップの一つが、自分自身の価値観を明確にすることです。
多くの医師は、一般的なキャリアパスに従うことで進路を決定しがちですが、実は個人によって理想とする人生設計は大きく異なります。
自分が何を大切にしているのかを言語化することで、初めて後悔のない進路選択ができるようになります。
ここでは、医師が自らの価値観を明確にするためのポイントを解説します。
進路選択の第一歩は、自分がどのような働き方をしたいのかを明確にすることです。
週あたりの労働時間や当番制・緊急対応への対応、地域活動や学会参加の時間配分、経済的な安定性の必要度などを真剣に考える必要があります。
医師の進路選択は、職業選択ではなく人生設計そのものです。
自分の理想の働き方を明確にすることが、長期的に満足度の高い医師人生を送るための基礎となります。
自分の適性と強みを正確に把握することは、医師の進路選択において重要なポイントです。
研修期間中に最もやりがいを感じた診療科を思い出し、指導医や先輩医師からのフィードバックを受けることで自己理解を深めていくことが大切です。
また、患者様との長期的な関係構築を重視したいのか、急性期診療で即座の判断が求められる環境にいたいのかでも、選ぶべき診療科や職場が異なります。
進路選択の精度を高めるためにも、複数の視点から検討することをおすすめします。
医師の進路選択において、診療科ごとの労働環境の違いを理解することは極めて重要な要素です。
それぞれの診療科によって、労働時間や緊急対応の頻度、給与水準、学術活動の機会などが大きく異なります。
ここでは、診療科別の働き方や待遇の違いについて見ていきます。
外科系診療科は労働時間が長く、緊急対応も多いという特徴があります。
手術は予定の他に急患対応も頻繁に発生し、定時には帰宅できないことがほとんどです。
しかし、手術という具体的で達成感の高い医療行為ができることはメリットであり、多くの外科医は患者様の生命を救う手術を通じて大きなやりがいを感じています。
給与水準も比較的高めに設定されているため、仕事を人生の中心に置ける医師に適した選択肢といえます。
内科系診療科は外科系ほどではないものの、労働時間が比較的長く、複雑な病態の患者対応による精神的ストレスを伴います。
しかし、医師としてのキャリアの多様性が高いというメリットがあります。
特に総合内科であれば、様々な疾患に対応できるため、医師としての総合的な能力を磨くことが可能です。
多くの専門領域が内科系から派生していることもあり、後期研修の選択肢も豊富です。
さらに、生涯にわたって様々な職場での勤務が可能であるため、医師としてのキャリアの柔軟性が高い分野です。
皮膚科、放射線科、精神科などのいわゆる「非メジャー系」と呼ばれる診療科は、比較的勤務時間が安定している傾向があります。
これらの診療科では、慢性疾患の管理や予防医学といった業務が中心となることが多く、緊急対応が少ない点が特徴です。
そのため、急な残業や休日出勤が発生しにくく、定時で帰宅しやすい環境が整いやすいといえます。
専門性を深めながらも安定した働き方ができることから、ワークライフバランスを重視する医師にとっては魅力的な診療科といえるでしょう。
また、病院勤務にとどまらず、産業医・健診医・開業医など、幅広いキャリアパスを選択できる点も大きな魅力です。
ただし、勤務先の医療機関によって体制や業務内容には違いがあるため、転職を検討する際は、希望する医療機関の情報を事前にしっかりと収集しておくことが大切です。
美容外科、美容皮膚科、AGA治療、脱毛などの自由診療系の診療科は、近年注目を集めている診療科目です。
これらの診療科の最大の特徴は、当直やオンコールなし・残業が比較的少ない、ワークライフバランスが確保しやすい点です。
また、予約制による診療が基本のため、突発的な緊急対応に追われることもありません。
さらに、給与水準も比較的高く、年収1,500万円~2,000万円以上の求人も珍しくありません。
美容医療業界は成長分野であるため、医師求人も多いです。未経験でも活躍できる環境も多く、転職の際に新しい職場の候補として検討する医師が増加しています。

進路に迷った場合は未経験から力をつけられる美容外科や美容皮膚科の選択もおすすめです。こちらでは美容系クリニックが人気の理由や、未経験から入職する際のイメージを紹介します。
近年、美容外科や美容皮膚科、AGAなどの美容医療分野の医師求人を見かける機会が多くなりました。また、医師求人広告では20代や30代の美容未経験医師を募集する内容も多く見受けられます。
美容外科は、お客様の美の希望に沿った施術を行う診療科目です。二重手術やリフトアップ手術、形成手術など、手術内容が多く、美容皮膚科と比較すると習得が必要な知識や技術が多岐にわたります。 早いうちから経験を積んでもらい、美容外科医として育成したいという意図から、20代から30代の求人が多いと考えられます。
また、美容皮膚科の医療脱毛やAGA分野は、外科的な技術は求められず、カウンセリングや投薬、点滴、注射、レーザー治療がメインとなるため、経験の少ない20代や未経験者でも転職しやすいといえるでしょう。
美容医療分野では、経験はもちろん考慮されますが、人柄や意欲を重視する傾向があるため、現場のスタッフも若い人材が多く長期勤務できる医師が求められています。
社会的にも美容医療に関する意識が高まってきている現在、将来性が期待できる分野でもあります。また、未経験でも若いうちから経験を積むことで、早い段階で美容医療分野での開業を目指すことも可能です。
美容外科や美容皮膚科は自費診療であるため、クリニック側で診療における料金の決定が可能です。そのため、将来的に開業を目指すことで、保険診療の医療機関と比較すると収入アップが見込めるでしょう。
大学医局に所属していた医師が美容医療分野へ転職すると、仕事内容はもちろん、働き方や年収なども大きく変わります。そのため、転職先の情報を探す方法も、これまで通りではうまくいかないこともあります。
同じ医師としての勤務でも、異なる分野に進む場合は、適切な情報を入手するためにも転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントを利用すると、非公開情報の入手も期待できます。そのため自分に適した求人を見つけられる可能性が高まり、入職してから「こんなはずじゃなかった・・・」というリスクも軽減できるでしょう。また、キャリアアドバイザーから職務経歴書の書き方や見学時の注意点や面接対策を受けられる点もメリットです。
研修医や新しいキャリアステージに進む医師からは、進路選択に関する様々な質問が寄せられます。
ここでは、医師の進路についてよくある質問に回答していきます。
進路を決める際の判断基準は、個々の医師の価値観によって大きく異なります。
検討すべき主要な要素としては、ワークライフバランス、経済的安定性、やりがい、地域性、学問的興味、キャリアの安定性などが挙げられます。
進路決定の第一歩は、自分にとって最も重要な要素を明確にすることです。
ワークライフバランスが最優先であれば勤務時間が安定した診療科を、経済的成功を重視するのであれば高給与が期待できる診療科を選択するなど、ご自身の優先度に合わせて進路を決定する必要があります。
複数の要素のバランスを取ることで、後悔のない進路選択を行ってください。
転職先の情報収集には、複数の方法を併用することが有効です。
中でも、先輩医師や知人の医師から直接聞いた話は参考になることが多いでしょう。
また、医師専門の転職サイトやエージェントも、職場の労働環境や給与体系について公開されていない情報を多く保有しています。
さらに、実際に医療機関を訪問し職場の雰囲気を直接感じることも重要です。
見学時は、スタッフの雰囲気や患者対応の様子も観察することができるので、より正確な情報が得られるはずです。
ワークライフバランスを重視する医師におすすめの診療科としては、皮膚科、放射線科、健診などの非メジャー系診療科です。
これらの診療科は、緊急対応が少なく勤務時間が比較的安定しているのが特徴です。
そして、近年注目を集めている美容外科や美容皮膚科、AGAクリニックなどの自由診療分野もおすすめです。
基本的に完全予約制で、オンコールや緊急対応がないことに加えて、給与水準も高いため、ワークライフバランスを重視する医師にとって理想的な選択肢といえます。
医師の転職市場でも、未経験者を積極的に採用している分野は複数存在します。
代表的なのは、美容外科や美容皮膚科などの自由診療分野で、臨床経験が浅いまたは専門医資格がない医師でも転職することが可能です。
あるいは、一般病院の内科系診療科も未経験者を受け入れることが多くあります。
未経験から新しい診療科にチャレンジすることは、医師としてのキャリアの可能性を大きく広げるきっかけとなるでしょう。

医師が転職で成功するためには、適切なタイミングで活動開始することが重要です。
早すぎても遅すぎても、理想的な転職先への応募を逃してしまう可能性があります。
ここでは、医師の転職活動に適したタイミングについて見ていきましょう。
大学病院や一般病院への転職を検討する医師の場合、たいていは臨床研修修了後の後期研修開始直前が転職活動を始める最適なタイミングです。
専門医資格を取得した医師は、そのタイミングで始めれば、より条件の良い医療機関への転職がしやすくなります。
一般的な医療機関への就職の場合、4月の新年度入職を前提とした採用活動が行われます。
そのため、前年の秋から冬にかけて情報収集と求人票の確認を始めるのがおすすめです。
美容医療業界に転職する場合は、一般的な医療機関への転職とは異なるタイムラインで動く必要があります。
美容外科や美容皮膚科は成長分野であるため、通年で求人が存在することも少なくありません。
ただし、採用枠が限られていることがほとんどなので、早めに行動することをおすすめします。
特に、人気のある美容クリニックやグループは、あっという間に募集が終了してしまいます。
医師それぞれの臨床経験や、形成外科専門医などの資格の有無、目標とする入職時期(4月入職か年度途中入職か)によって採用ハードルや募集枠が大きく異なります。
具体的な動き方については、医師専門の転職エージェントに相談し、自分のキャリアに合わせた最適なタイミングで進めることがとても重要です。
医師の進路選択は、人生に大きな影響を与えます。
臨床研修や専門医資格の取得を経ても、その後のキャリア決定は何度も訪れます。
だからこそ、自分の価値観や理想の働き方、適性を明確にしておくことが大切です。
そこで役に立つのが、医師専門のキャリアエージェントです。
転職の際はエージェントを活用することで、非公開求人にアクセスできたり、クリニックとの条件交渉を行ってくれたりします。
転職を迷っている段階でも、今後のキャリアについて的確なアドバイスを受けることが可能です。
このように、医師専門エージェントの存在は大きな力になることでしょう。
特に美容医療への転職では、多数のクリニックネットワークを活かし希望に合った職場を紹介してもらうことができます。
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