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2025年版 研修医とは?給料や制度、研修先の選び方、転職事情について徹底解説


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2025年版 研修医とは?給料や制度、研修先の選び方、転職事情について徹底解説

研修医とは

研修医制度の目的

「水がしみこむように」医師としての人格を身につける

医師法第16条の2第1項の規定で、診療に従事しようとする医師は臨床研修を受けなければならないこととされています。臨床研修を修了せずに診療に従事することはこの規定に違反することになります。

2004年から始まった、2年以上の臨床研修が必須化された「新医師臨床研修制度」ですが、下記の3つが基本的な目的とされました。

医師としての人格をかん養(水がしみこむように自然に、少しずつ教え養う)する。

  1. プライマリ・ケアの基本的な診察能力を修得する。
  2. アルバイトせずに研修に専念できる環境を整備する。
参考:臨床研修の基本理念
(医師法第十六条の二第一項に規定する臨床研修に関する省令)
臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない。

初期研修の具体的な到達目標は多岐にわたる

具体的な臨床研修の到達目標としては下記の項目が医師臨床研修指導ガイドラインに書かれています。

<医師としての基本的価値観 ・プロフェッショナリズム>
  1. 社会的使命と公衆衛生への寄与
  2. 利他的な態度 
  3. 人間性の尊重 
  4. 自らを高める姿勢 

<資質・能力> 

  1. 医学・医療における倫理性 
  2. 医学知識と問題対応能力
  3. 診療技能と患者ケア
  4. コミュニケーション能力 
  5. チーム医療の実践
  6. 医療の質と安全の管理 
  7. 社会における医療の実践 
  8. 科学的探究 
  9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢

<  基本的診療業務> 

コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、以下の各領域において単独で診療
ができる 

  1. 一般外来診療 
  2. 病棟診療 
  3. 初期救急対応 
  4. 地域医療

研修医制度の内容

研修では必修科目と選択科目がある

医師法によって定められている2年以上の初期研修期間ですが、実際にはどのような内容で研修が行われるのでしょうか。
初期研修では研修医は診療科をローテーションしながら、医師として必要な基本的診療能力を身につけることが求められています。

<厚生労働省の定める必修科目>

  • 内科:24週以上
  • 救急:12週以上
  • 外科、小児科、産婦人科、精神科、地域医療:それぞれ4週以上

必修科目に加えて、各研修病院のプログラムに沿って選択科目を研修します。選択科目では幅広い医療知識と経験を身につけます。選択科目では興味のある分野を学べるので、バランスよく臨床を経験できます。

<選択科目>

  • 麻酔科
  • 整形外科
  • 皮膚科
  • 眼科
  • 耳鼻咽喉科
  • 放射線科
  • リハビリテーション科 など

実際の研修ではどんなことを学ぶ?

では、実際にはどんなことをするのでしょうか。下記はその一部の内容です。

<内科>

  • 入院患者の一般的・全身的な診療とケア
  • 一般診療で頻繁に関わる症候や内科的疾患に対応するために、幅広い内科的疾患に対する診療を行う病棟研修 を含むこと。 
  • 高次機能病院などの大病院では、内科が臓器別等に編成されているため、研修する疾患が 特定の領域や疾患そして年齢に、極端に偏らないよう配慮する。 

<外科>

  • 一般診療において頻繁に関わる外科的疾患への対応
  • 基本的な外科手技の習得
  • 周術期の全身管理などに対応するために、幅広い外科的疾患に対する診療を行う病棟研修を含むこと。 
  • 外科においても、研修する疾患が特定の領域や疾患そして年齢に、極端に偏らないよう配慮する。

他の診療科目についても各科目の特徴を考慮したガイドラインが設けられています。

地方での研修が義務になる?

厚生労働省は2024年10月、2026年度から都市部の研修医に地方病院での一定期間の勤務を義務付ける新制度を導入すると発表しました。この制度では、東京、大阪、京都、岡山、福岡の5都府県の研修医が対象となり、年間130人以上が医師不足地域の13県などに半年以上派遣されることになります。

研修医と、専攻医、専修医の違い

「研修医」とは

医師免許取得後1~2年目の臨床研修医(初期研修医)のこと。研修医は医師免許を持って、全国各地の医療機関で働いています。

「専攻医」「専修医」とは

かつては医師3年目以降で専門研修を受けている医師を「後期研修医」と呼んでいましたが、現在は専攻医、専修医と呼ばれ、初期研修医とは区別されています。
2018年、一般社団法人・日本専門医機構が代表となる新専門医制度が導入されました。中立的な立場で専門医の認定や育成をする新しい認定制度です。

それ以前の専門医制度(後期研修)は、各学会が定めた独自の査定基準で専門医認定が行われていました。各学会による認定基準のばらつき、医師の地域偏在と診療科偏在などの問題が指摘されていました。そこで、厚生労働省は幅広い診療科目で均一で良質な医療を提供するための制度改変に向けて議論を重ね、新専門医制度が導入されました。新専門医制度では日本専門医機構が中立的な第三者機関として、専門医取得に対して、一定の基準を設定しています。

現在、専門医資格を取得するためには日本専門医機構による専門医の認定が必要になっています。日本専門医機構は、専門医の認定、更新基準と研修施設の基準を作成、専門医資格取得のためのプログラム制作などを行っています。新専門医制度では、医師が診療科の専門的知識と高度なスキルを取得できる仕組みが作られていて、専門性の高い医師のキャリア育成を支援している点が特徴です。

新専門医制度ができる前に問題となっていた、大都市圏に偏った地域格差と診療科の偏在を解決する方策として、2020年度から採用数の上限を設定するシーリング制度を導入しています。

シーリング制度とは必要医師数を満たしている都道府県と診療科が対象となり、専攻医が医師不足となっている地域や診療科へ派遣される制度です。希望の殺到する都道府県の都市部や診療科は採用定員が設けられているということです。

医師の地域偏在対策として、シーリング制度・連携プログラム枠というものもあります。これは、シーリング上限のうち一部の枠で採用された医師に、シーリングのかかっていない都道府県で50%以上の勤務を行う連携プログラムを設定するというものです。この連携プログラム枠で採用された場合は、希望の都道府県・診療科で研修を行うためにその期間の半分ほどを地方で研修プログラムに参加しなければならなくなりました。人気の高い地域や診療科は倍率が高くなるので、初期研修を終えたあとの研修先選びが難しくなっています。

また、毎年、シーリングの枠数が変動していますので、初期研修後のキャリアプランを考えるときには最新の情報を確認することが必要です。

参考:2024年10月時点でのシーリング制度対象の診療科
内科、小児科、泌尿器科、脳神経外科、整形外科、形成外科、耳鼻咽喉科、放射線科、皮膚科、精神科、麻酔科、眼科、リハビリテーション科

研修医の期間

研修医の期間

臨床研修(初期研修):研修医

医師国家試験合格 → 2年の初期研修

専門研修(後期研修):専攻医

医師国家試験合格 → 2年の初期研修  → 3~6年の専門研修(専攻医、専修医)

参考:専門医研修の内容
各基本領域間で統一された新制度で専門医養成と認定を行う日本専門医機構によると、専門医研修は基本領域の19領域とサブスペシャリティ領域の24領域があります。

<基本領域>
内科、小児科、皮膚科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、病理、臨床検査、救急科、形成外科、リハビリテーション科、総合診療
19の基本領域から1つを選択し、その領域で3年以上かけて研修を受ける必要があります。選択した領域で専門医取得の要件を満たす内容のプログラムがあり、必要な症例数や実績を積んでいきます。

<サブスペシャリティ領域>
消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、血液内科、内分泌代謝・糖尿病内科、脳神経内科、腎臓内科、膠原病・リウマチ内科、消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、乳腺外科、放射線診断、放射線治療、アレルギー、感染症、老年科、腫瘍内科、内分泌外科、肝臓内科、消化器内視鏡、内分泌代謝内科、糖尿病内科
サブスペシャリティ領域は19の基本領域をさらに細分化した、より専門性を発展・深化させた領域です。2023年7月時点で24領域が定められています。この中から取得したい専門を選んで、さらに3年間の研修を受けます。
領域は自由に決められますが、基本領域とサブスペシャリティ領域は統一するといったルールが設けられています。

初期研修先の病院が決まるまでの流れ

初期研修は厚労省が指定した医療機関で行われますが、令和5年度では1029の病院が参加しています。

医学部の6年生は夏に各病院に見学に行き、希望する病院を決めて面接試験を受けます。一部の例外を除いて研修病院の選び方は自由に選ぶことができますが、マッチング制度というものがあるので希望が100%かなうわけではなく、令和5年では第1希望でマッチしたのは全体の約64% 、第3希望までにマッチしたのは全体の約89%と報告されています。

研修先を選ぶ際のポイント

労働環境と教育体制

初期研修は指定された病院で、下記の法律とそれに基づくガイドラインに従って行われます。

  • 医師法(昭和23年法律第201号) ※第16条の2~第16条の8
  • 医師臨床研修指導ガイドライン

ガイドラインには、初期研修医の労働環境や教育体制について大枠が決められていますが、実際には、厚生労働省の定めた必須科目をおよそ1年間研修し、そのあとは病院の裁量で回る診療科目を指定している病院もあれば、必修以外は研修医が自由に決めて回れるという病院もあるようです。教育体制も労働環境も病院によって違いがあるので、病院見学で研修内容を確認する必要があります。

待遇

初期研修医の待遇、報酬について公開されている情報は多くが概算の年収です。時間外手当とボーナスを含めた概算の報酬が表記されていることがほとんどです。そのため、研修先の当直回数や時間外労働時間がどのくらいあるかなどの細かな情報収集が大切になります。

ちなみに、厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」という資料によると、初期研修の当直回数は大学病院でひと月ゼロ回から5~6回までの範囲であり、最多が月4回、市中病院ではひと月ゼロ回から7回以上まであり、こちらも最多は月4回となっています。

初期研修プログラム内容

前記の「労働環境と教育体制」でも説明したように、初期研修の枠組みは病院によって違います。具体的に何科をどれくらいの期間で回るのかは病院によって多少異なります。
地域医療研修が必修として含まれているので、どの地方病院に行くのかを調べておくことも必要になるでしょう。病院によっては離島の病院での地域研修を行うところもあります。

初期研修医の給料

平成23年度採用予定の臨床研修医の推計年収を厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」のデータで見ると下記が平均年収となっています。

  大学病院の平均 臨床研修病院の平均
初期研修1年次 3,074,172円 4,510,339円
初期研修2年次 3,123,132円 5,021,376円

下記の規定にしたがって、研修期間中は研修に注力しなければなりません。

医師法第16条の2第1項: 
診療に従事しようとする医師は、臨床研修を受けなければならない。

医師法第16条の5:
臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。

臨床研修に関する省令第10条:
臨床研修病院は、届け出た研修プログラム以外の研修プログラムに基づいて臨床研修を行ってはならない。

研修医の主な進路と転職動向

研修医の主な進路

  1. 専門医研修に入る
  2. 専門医の資格を取らずに臨床医として働く
  3. 専門医研修に入らず自由診療分野で働く
  4. 公務員となって働く(医系技官、防衛医官、監察医など)
  5. 企業で働く(産業医、製薬会社、コンサルティング会社)
  6. 起業して経営者となる
  7. 基礎研究分野で働く

研修医の転職動向

ある調査では専門医を取得する医師の割合は8割程度とされています。その他2割の医師は、前記の2~7の進路に進む方が多いようです。以前は医師免許取得した者は大学病院や一般病院での勤務の道へ進むことが当然と考えられていましたが、現在では医師免許を以って他業種・他職種への選択肢が増えてきているようです。医師免許を持つことで、臨床現場以外でも社会貢献できる可能性が大きく広がりました。

未経験でも活躍の場が広い美容外科・美容皮膚科への転職

20代・未経験の医師が採用されるチャンスがある

美容外科では二重手術やリフトアップ手術、形成手術などが多く、習得する知識や技術多岐にわたります。早いうちから多くの経験を積んでもらい、より良い人材を育成したいという意図から若年層の医師募集が多くみられます。また、医療脱毛やAGAといった問診・投薬や点滴・レーザー治療がメイン業務となる分野は、臨床経験の少ない医師も転職しやすく、求人の数も多く存在します。

未経験の医師を採用する大手美容クリニックは、人材育成に力を入れており、研修体制が比較的整っているため、未経験の医師でも知識とスキルを身につけるチャンスがあり、人気の進路の一つとなっています。

美容外科医・美容皮膚科医のキャリア

大手美容クリニックではキャリアを作っていくうえでの選択肢が多くあり、院長などの管理職医師、研修担当医、技術指導医などのキャリアが用意されています。
転職を考える20~30代の医師には、転職後のキャリアプランも視野に入れた選択が可能です。

院内見学|美容医療の医師転職で9割の方が体験

初期研修先を決める際に医学生は希望する病院を見学しますが、自由診療・美容医療へ転職しようとしている医師にとっても美容クリニックの見学は重要です。
ドクターコネクトで転職をお手伝いした9割の医師が、施設見学を体験なさっています。

特に美容クリニックを訪れたことがない医師は、先輩医師やメディアからの偏った情報でイメージを持たれていることがあります。 実際にクリニック見学をご案内した医師からは、現場を実際に見て入職後をリアルにイメージしやすくなったという感想をいただいています。

転職活動に関するQA

医師転職支援サービスを利用したことがありません。どのようなサービスですか?

医師転職支援サービス会社はいくつかありますが、ここでは弊社ドクターコネクトの医師転職支援サービスについてご説明します。

<対象>

転職やアルバイト(非常勤)をお考えの医師・研修医

<サービス内容>

  • ご希望に沿った求人案件のご紹介
  • 院内見学・面接の同行
  • 雇用条件の交渉と確認の代行
  • 現職の退職ご準備サポート
  • ご入職後のフォロー

ドクターコネクトは美容医療専門の医師転職サービスです。美容医療専門ならではの業界知識と最新情報をもとに、丁寧にサポートいたします。

相談から転職先の決定まで、費用は全く発生しないのでしょうか?

転職サービスに費用はかかりません。ドクターコネクトは雇用主となる医療機関からの紹介手数料や広告費で運営しておりますので、サービスをご利用になる医師の方にご請求は一切ありません。

まとめ

研修医制度は、医師としての人格を持ってプライマリ・ケアの基本的な診察能力を修得する医師に診療を行ってもらえるという、患者側にとっては安心・安全を担保するものです。

しかし、医師ご自身は多大なエネルギーと時間とご苦労があり、初期研修を終えて、臨床医としての人生に疑問が持ったという方も珍しくありません。

美容医療はワークライフバランスという意味で、また、タイムパフォーマンスの高い豊かな経済力をつけるという意味でも、ひとつの選択肢として検討する価値があります。

ドクターコネクトをご利用いただいた医師の皆様の中には美容医療の経験がない方も多くいらっしゃいましたが、ご希望に沿った医師転職を実現されています。

医師・研修医のご都合に合わせて、日本全国どこでも、夜間・早朝も含む、ご希望の場所でお打ち合わせが可能です。お打ち合わせはLINEでも行っております。

ドクターコネクト編集部
この記事の監修者
ドクターコネクト編集部
こちらの記事は、ドクターコネクト編集部が監修しています。


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