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美容施術ラボ|美容皮膚科 注入系「ボツリヌストキシン」


戻る 2022/04/21
美容未経験の医師対象─美容皮膚科の注入製剤「ボツリヌストキシン」について

ここでは美容皮膚科未経験で転職をご検討の先生を対象に、美容皮膚科クリニックの注入系施術において広く使われる「ボツリヌストキシン」と、その施術による効果や注意点について解説いたします。

注入系の施術は美容医療に抵抗がある人々にも受け入れられやすく、もはやニーズが高いというより「定着」しています。美容皮膚科では代表的な施術ですので、医師転職活動の前知識としてお役立てください。

美容皮膚科の注入系が人気の理由


まずは美容医療業界で「注入」と呼ばれる施術の特徴をご紹介いたします。

 
  • 美容医療はメスを使わない非侵襲治療が主流になっている
  • 注入治療は治療時間が短時間で、ダウンタイムも比較的短い
  • 治療後比較的速く、患者が効果を実感しやすい施術が多い
  • 注入剤は時間の経過とともに体内に吸収され、副作用が少ない
  • 注入治療は患者の再来院の確率(リピート率)が高い
  • 医師は、注入剤の特性や違いに関する知識と経験が必要
  • 施術には、表情筋、血管の位置に関する知識が必要

一般の方が美容クリニックを選ぶ際、インターネットを使うのが主流です。そして多くの方が「美容医療 メスを使わない」というキーワードで検索しており、検索結果では美容皮膚科クリニックの注入系メニューが上位を占めています。

また美容クリニックとしては、美容外科ほどの医療機器を導入する必要なく、準備から施術までの時間も掛かりませんので人員も最小限に抑えられます。経営面でのコストが抑えられ、近年は注入専門の美容皮膚科クリニックも登場しています。

「ボツリヌストキシン」について

注入系の施術で広く認知されている製剤「ボトックス®」は米国アラガン社の製品名です。その製剤に含有される「ボツリヌストキシン」の作用から歴史、その効果まで触れていきます。

作用機序

ボツリヌストキシンは、自然界の毒の中でもっとも強力と言われている。ボツリヌストキシンの作用部位は神経末端の、神経と筋肉の接合部である。神経が電気信号を伝え筋肉が収縮するとき、神経末端においてアセチルコリンが放出されて筋肉に刺激が伝わるが、ボツリヌストキシンはこの神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害する。

適応

美容 しわ、ガミースマイル、腋窩多汗症、下顎角など
眼科 眼瞼痙攣など
神経内科 顔面痙攣、上肢痙縮など
整形外科 麻酔科:頸部ジストニア、胸部出口症候群、梨状筋症候群など
歯科 ガミースマイル、歯ぎしり

歴史と承認

  1. A型ボツリヌス毒素の臨床応用は、神経内科や眼科で1960年代から行われてきた。
  2. 筋緊張亢進を局所的に緩和する効果を、美容医療では表情筋によるしわの改善に応用されてきた。
  3. 1989年に米国でアラガン社「ボトックス」がFDAの承認を取得した。日本では1996年「ボトックス注100」(ボトックス注用100単位)が、「眼瞼痙攣」に対して承認された。2000年には「片側顔面痙攣」、2001年に「痙性斜頸」の追加効能が承認されている。
  4. 2009年、米国アラガン社「ボトックスビスタ」が65歳以下の「65歳未満の成人における眉間の表情皺」を効能・効果として。2016年には、「65歳未満の成人における目尻の表情皺」を効能・効果として、厚労省に認可された。
  5. 2010年、「上肢痙縮」および「下肢痙縮」、2012年、「重度の原発性腋窩多汗症」、2015年には「斜視」、2018年5月には「痙攣性発声障害」の追加効能が承認されている。
  6. 2020年6月、独メルツ社の「ゼオマイン」(筋注用50単位、筋注用100単位、筋注用200単位)が「上肢痙縮」の適応で帝人ファーマに承認された。

クリニックにおけるボツリヌストキシン美容医療

  • ボツリヌストキシンの筋弛緩作用を利用して表情筋を弛緩させ、しわの改善や皮膚のたるみの改善を期待する。
  • 麻酔の時間を除くと、実際の治療時間は短く、ダウンタイムも比較的短い。
  • 治療後、比較的速く効果が実感されやすい。通常、2~3日後から効果が現れ、薬理効果は3~4ヶ月持続する。
  • 注入から7日経つと効果が安定するため、観察の後、必要であれば微調整注入(タッチアップ)を行う。効果は個人によって異なるため、一週間後の観察は次回の注入を行うときの参考として重要なデータとなる。
  • 治療には、しわ・たるみの成因、表情筋、血管走行に関する知識が必要である。
  • 顔の血管を理解したうえで、よく観察して可能な限り避ける必要がある。出血斑が出るとクレームになりやすい。

注入は医師のスキルとしても有益

美容皮膚科では大手総合美容クリニックを筆頭に、コンビニやサロンに行く感覚で来院してほしいと様々な広告を打ち立てています。

また、医師バイトで人気の医療脱毛に特化したクリニックも、脱毛だけではなく注入系メニューの導入を検討してるところが増えています。しかし、そのスキルを持つ医師が不足しているため展開できずにいるのが現状です。

美容医療へ転職される先生の9割が未経験ですので、クリニック側も研修制度を設け医師のスキルアップをサポートし、柔軟な働き方を容認したりと、医師の雇用に尽力しています。

ドクターコネクトでは、先生のご経歴・ご要望に合わせ求人紹介しております。「注入系に挑戦してみたいが未経験でも無理なくスキルアップしたい」など、ご要望をお聞かせください。

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